*『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』

 微妙な作品でしたね。何度も作られた「猿の惑星」ですが、この三部作「創世記」は非常に好感が持てた作品でした。ラスト、ゴ−ルデンブリッジを猿が渡っていくシ−ンは、創世記そのものでした。二部の「新世紀」はコバとの確執。その中で「エイプはエイプを殺さない」という、人間には決してできない崇高な理念を猿たちが持つお話でした。
 本作は妻子を殺されたシ−ザ−が復讐に燃え、自身がコバに囚われていく状況を描いているんだけれども、どうにも上手く仕上げようとしたきらいがある。なるほど、発病のために一人息子を殺した大佐やシ−ザ−の葛藤などよく描けていると思う。思うが、言いたいことが空回りしてもどかしい。口のきけない少女の出現も、設定に無理は無いか。「創世記」でジェームズ・フランコが演じる動物学者とシ−ザ−らとの、心通わせ合った頃が、懐かしい。