*『ダンケルク』

さりげにアカデミー賞に何部門かノミネ−トされていたクリストファー・ノーラン監督作品。based on true storyだからの臨場感・説得力はある。『インセプション』であれだけVFX駆使しながら、本作では航空機の巴戦など実物にこだわったという。なかなか観ないアングルでの巴戦だったが、航空機の機数も少なく、多数の零戦の格闘を見慣れている人には、(なんか淡泊)感は否めない。但し開戦当初の第二次世界大戦ってこんなもんなのかもしれないな。ドイツサイドから見れば、40万近くの兵隊が海岸でボ〜としているんだから、ここに集中爆撃とか、艦砲射撃で一撃だろうと思うんだが、まぁチマチマしている(ゆえに、30万を超える兵力を本国に戻すことができたんだろう)。まぁ開戦当初と終戦間際では爆撃一つ取っても全然規模が違うのだけれど。
 考えてみれば、ドーバ−海峡とは不思議だ。あの頃のドイツの国力をもってしても海峡を越えて上陸できなかったのだから。ブリテン島への上陸と、ロシア征服って言うのは、本当に難しいのだな。
 船でフランスを離れることができたと思えば、ドイツに空爆され沈没。救命具をつけてプカプカ浮いている兵隊さんをみて、太平洋戦争でアメリカ潜水艦に雷撃されて沈没した輸送船のことを考えたよ。日本軍は開戦前に輸送のことを考えなかったのかな。兵隊って辛い。