*『82年生まれ、キム・ジヨン』

 この映画が気になったのは、主人公の夫:デヒョンを演じるのがコン・ユで、このちょっと見、若い時の中村雅俊似の優男が、「トッケビ」演じて親近感があったから。キム・ジヨン演じるチョン・ユミとは「新感染」「トガニ 幼き瞳の告発」で夫婦役を演じ、今回が夫婦として3作目だ。ちょっと羨ましいお似合い夫婦なのだ。
 寿退社したジヨンは育児と家事に忙殺され、ストレスから徐々に崩壊していく。新年のご挨拶で夫の実家に行くと、ジヨンは他人が憑依したかのような言動をする。(本人はその時の記憶は全くない)。夫のデヒョンは本人にも告げることができない。
 仕事と子育てをめぐる環境は、ちょっと前の日本にあった(今でもあるか?)ことと同じ。男側からの無理解も一緒。思えば、「受験戦争」は日本よりもひどい。知らない人も多いが、「少子高齢社会」(すでに「少子高齢化社会」ではなくなりました!)も、韓国の方が先行している。日本が抱えている社会問題は、韓国でも同じなのだ。
 どのようにジヨンが、一人の人として輝いていけるのか? 重いけれどとっても大事な問題に、真っ直ぐ向き合った作品。たまにはこういう作品も良いよね。