「きけ わだつみのこえ」(日本戦没学生記念会編)は有名であるが、やっとこの歳で読んだ。思えば高校時代の夏推薦読書一覧にこの名があったと思う。悪いがいくら何でもティーンの私には読めなかっただろう。昔の人は、早熟なのか。はたまた精神的に独立独歩していたのか。
英語など外来語の普及は戦中より現在の方が甚だ進んでると思うが、この本に登場する人物は皆一様に外来語に詳しい。ドイツ語やフランス語も出てくる。ドイツ語はまだしも、敵性語をそんなに使って大丈夫なのかしらんと不安に思う。まぁ東大始め慶応や京大の学生がポンポンでてくるから、それもむべなるかな。
昭和20年に死亡のものが多く、ほんのあと少し(たとえ脱走でも降服でも)生きてさえすれば、終戦で価値観が180度変わるのだから、生き抜いていれば・・・と無念さが漂う。もちろん脱走や降服など考えようがない時代だというのは分かってはいるが。
今の日本でこれほど戦争や平和、国家のありようを考えている学生がいるだろうか? 「平和は、頭や身体が弱い者でも生きていける幸せな時代」と私はつとに思う。また「人類の歴史で平和は、戦争と戦争の僅かな間にしか存在しなかった稀な時代」ということを考えると、本当に幸せな時代なんだと思う。そしてこの幸せを維持していかなければ散華していった英霊たちに顔向けできないと考えるのだが。多くの国民はどう思うのだろう・・・
きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (ワイド版岩波文庫)
- 作者: 日本戦没学生記念会,わだつみ会=
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1997/09/16
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2004/08/06
- メディア: DVD
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る