確か本屋大賞にノミネートされていたので購入、まさかの大量虐殺モノと知らずに読んでみた。上下巻800頁強いっきに読めた。読後の感想は「バトルロワイヤル」を思い出す。(だいぶ違うが)
あれだけ淡々と殺人が繰り返されれば爽やかなわけがない。学園モノだから登場人物が相当数いるが、「え、ここで・・・こんなにあっさりと?」準主役級が死んでしまう。生徒の家庭の悲しみだとか苦しみ、どこにも消えていかない喪失感など、一切は描かれない。あまり人物が描かれていない。だから多くの犯罪モノ小説にありがちな、悪を憎む刑事達の執念だとかは一切感じない。宮部みゆき作品のように、読みながら犯人を憎むようなことはない。一方でアンチ・ヒーローと慕うこともない。
私立晨光町田高校のモデルは「シンコウ=サンコウ」で日大三高だろうか・・・?(付近に都立野津田高校も存在する・・・・どっちも山の中。鄙びたところ) 私はフリークではないので(貴志祐介作品は初めて)、調べていないが聞くところによると大阪出身らしい。その割りに町田と多摩市境付近の描写がよくできている。その辺をよく知っているので実際にあるのではないか?とまで思ってしまう。
ところで、こういう小説には必ずインターハイベスト4くらいの猛者が登場する。ずば抜けて運動神経が良く、ヒーローになれる存在が。しかしそんなには普通の高校にはいないものである。スーパースターは一部の有名私立に集まるでしょ・・・・リアリティがないな(笑)
- 作者: 貴志祐介
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