最近ウディ・アレン監督作品を違和感なく観られるようになってきた。つまりは好きになってきたってこと。『ロード・オブ・ザ・リング』で、ドワーフのギムリに「この世で一番美しい奥方」と言わせしめたケイト・ブランシェットが、よりによって、かつてセレブ、一転犯罪者の主人は刑務所で自殺、一人息子は失踪。そして今や一文無しで精神不安定な女の転落人生を演じる。
精神安定剤とウォッカに頼り独り言をぶつぶつ呟く姿は、一歩間違えればウディ・アレンそのもの。これだけ重いテーマをお洒落な感覚・・・軽妙洒脱に描けるのはウディならではか。日本人ならこのテーマをどう料理できるだろう? ケイト・ブランシェットが、この破滅的人物を演じるのか・・・と少し凹むのだが、この演技で主演女優賞を受賞したのだから、当時78歳のウディに感謝するのは当たり前かな。(「アビエイター」では助演女優賞を受賞している)
この映画を楽しめるようになってきたってことは、自分も熟成したのだろう。きっとシングルモルトが楽しめるようになったように。
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