*読んで謎が解けた『ヤンキー経済』原田曜平著

 『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』 (幻冬舎新書) を読んだ。それまで身近にいる不思議な人たちを理解できずにいたが、謎が氷解した、そんな感じだ。というのは、おな中だけで生活圏が(職場も結婚も新居も)完結している地域がある。(そんなバカな・・・!)とも思うが、実際にあるのだから仕方ない。先日もおな中カップルが男女とも17歳で子どもができたと聞いた。子育ては? きっと祖母がするのだろう。祖母と言ってもまだ40代前半だが。
 小さな社会で完結したくない。見知らぬ街で(特に若いうちなら)すごしてみたい。自分の可能性を探してみたい。そう常々思っていた。人は皆そう思うのかと思っていた。大きな器の人に出会って、自分の小ささを思い知るとか、自分の指針にしたいとか、思うのだろうと。(事の善し悪しは置いといて)、若いうちなら父母の呪縛から抜け出したいと、尾崎豊でなくても思うだろう。だがそうは思わない、私とは違う人種がいることを、その理由を知って満足した。
 本書の「マイルドヤンキー」(すでにどこかで聞いたことがあるが)とか、「ヤンキー1.0、2.0」と言った表現は面白い。新書にありがちな、チャートを使用して、どのカテゴリーに属するかなどを書いていて一見分かりやすいが、当事者からすればちょっと小馬鹿にされているように思わないだろうか。
 ところでmetooは東京の西の方に住んでいるので、本書に出てくる「武蔵増戸」や「イオンモール日の出」などが出てきて、なんか嬉しい(まぁ行ったことも実際あるが)。そしてまた妙に納得してしまうのである。