台風でも無ければ観なかった映画。アカデミー主演女優賞受賞作品とあった。それでもよく知らない女優名、そして映画。(似たようなタイトル『パニックルーム』とか『ルームメイト』があって、全然期待してなかった。)
内容はアメリカでよくある、女性拉致・監禁の話。そこに子ども(ジャック)ができて5歳の誕生日から物語は始まる。狭いワンルームが世界の全て。男が夜やって来る時はジャックは狭いクロ−ゼットでやりすごす。この世界に絶望させないようにと、母はTVの世界は作り話で、この部屋だけがホンモノの世界だと教え込む。外に出られないので、髪は長いまま。少年ジャックは(顔も界可愛らしく)少女と思った。母親は虫歯を治せず、気合いでやり過ごす(後に抜けるけれど)。そんな悲惨な話。
ある日男が来て行為の後眠りにつく。ジャックがクロ−ゼットから起きだすが、男に見つかり殴られ母親も止めに入って首を絞められる。この期に及んで母親は脱出を決意する。今まで教えていた事は全てウソで、外には人間が歩いていて実際に犬もいて美味しいアイスもあるのだと伝え、脱出の作戦を教え込む。
HD録再機は便利だが、この時点で2時間の上映時間の約半分(と表示されてる)。この脱出劇は成功するのか・・・? また捕まってさらに酷い目にあうのでは? 時間が見えるので先々を心配しちゃう。
この映画の泣ける点は、脱出・解放後の、それからの母子の家庭再構築がメインの作品になっている点だ。それまでは(あぁまた拉致・解放・復讐劇かぁ)と想像していた。
初めて見る、触れる外の世界を表現する少年役ジェイコブ・トレンブレイの演技が素晴らしい。思い切って出演することになった、TV番組の女性キャスタ−の心ない発言に、母親は自死を選択しちゃうんだけど、そういう時のジェイコブの演技は、とても演技に思えず泣けてくる。子役がうまいと、泣けてくるのはいつの世も同じ。
この子に史上最年少主演男優賞って選択は無かったのか?と思ったのは小山薫堂も同じらしく、マコ−レ・カルキンを私も彼も想像して、「でも有名になったら麻薬とかで大変かもしれないな」と発言していたから、おそらく多くの視聴者が同じ事考えたんだろう。
狭い部屋にあるイスやクロ−ゼット・洗面台などに「おはよう」という挨拶で映画は始まり、「ルーム」と決別する時に、1つ1つに「さよなら」と言って去るシ−ンは5歳らしくてそこも泣けた。おそらく普通の生活をしてこなかった分、辛いことが多く待っているんだろう、大変だなぁ。生活費はどうするんだろう、再婚できるのかなぁ、など色々考えさせながら映画は終わる。こういう余韻を持たせる作りが良い映画の条件なのだろう、きっと。
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