*『ヴィレッジ』

  現代日本の闇(環境問題・限界集落・若者の貧困・格差社会・マスコミの対応・ガチャ親)などをよく描いた力作。横浜流星の演技も素晴らしいというので、公開3日目に見てきた。シネコンの小さいスクリーン。観客はそれ相応の年齢の方か、横浜流星目当てっぽい。
 出だしのカメラワーク・画面の切取り方など、藤井道人監督やるなぁと思わせる(ただし途中からは割と普通だったが)。横浜流星の底辺に生きていて這い上がれない若者の演技も良かった。(ただしこんなに悪い労働環境なのにイケメンが多いのはどうして?)
 同級生で都会から帰ってきたマドンナに黒木華。どこにでもいそうで、リアリティがあった。可哀想な境遇の横浜流星に肩入れして立ちなおさせる配役なんだが、そりゃああんた流星だもん。
 きっとこういうクズ親いるんだろうな、って役には西田尚美。頑張っていました。彼女は直球・変化球どちらにも対応できて、この人役者さんだなぁっていつも思う。
  「田舎暮らし」が結構ブームなんだが、田舎って辛いだろうなぁ。狭いコミュニティ、古くから続くしきたり、そして不文律のおしつけ。佐藤浩市が出た「楽園」でも、しんどいなぁ・・・って思ったよ。この映画の主人公も都会で暮らしていたら(それだって宇都宮とか取手規模の都会で良いから)、違った結果になっていただろうになぁ。
 「薪能」が出てきたり(それを演じるシテに中村獅童だったり)、日本の闇の部分を描いているし、北野武映画を海コンペコンペに招待するくらいなら、本作の方が余程衝撃的だと、私的には高評価・お薦めの映画なんだけど。


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