*『羊の木』

 

 


  「山上たつひこ」と「いがらしみきお」による、第18回文化庁メディア芸術祭優秀賞(マンガ部門)に輝いた問題作を「TV東京」が(日テレやフジではなく!)絡んできてる・・・ってだけで、(こりゃあ見ないわけ行かないっしょ?)ってことでまず見てみた!
 ジャニ-ズの錦戸亮クンが主役なのも話題を呼んだ。北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯松田龍平・・・って、あまりに豪華キャスト。
 物語は「刑期を終えた元受刑者を自治体が受け入れる新仮釈放制度により、閑散とした港町・魚深市に男女6人が移住してくる」って話しだけれど、北陸の魚深市・・・って、魚津市か。銅像が出てくれば、高岡市も一枚噛んでいるのか。日本海、雲が大空を覆っているシ-ンは、富山県らしい(って、気付かない人は日本人の大多数だろうが)雰囲気をよく出している。もしかしたら初冬の留萌当たりもこんな感じなのかな、なんて思いながら見てみた。こういう雰囲気を感じられる映画は良いよな。
 魚津市っていってもさ、ほぼ中心部に元殺人犯が6人も住居させている、っていうだけで、そりゃあもうアウト! (一人とは言わないけれど誰かが必ず事件起こしますよね?)って期待を裏切らないで物語は進む。(だれが脚本作ってもそういう方向でしょ?)
 優香も元殺人犯って設定なんだけれど、年上爺に発情するって、そこまでは良いが、実際にベロチュ-くらいで爺さんと絡むのは嫌悪感あった。売れなくなった元AV嬢が企画もんで、高齢者と絡む分けじゃ無いんだから、そんなおぞましいシ-ンは不要だ! 頼むからああいう役の依頼は断ってほしいぞ。
 地域伝統行事の「のろろ様」を無理矢理入れて、シュ-ルな設定になっているが、観客の予想を激しく裏切るものでも無いのが残念。あまりに豪華なキャストを抱えたばっかりに出演料がかさんだろうなと、いらん心配をさせる映画ではあった。