＊『悪人伝 THE GANGSTER, THE COP, THE DEVIL』

　すっごく面白かった。「邦画＜韓流ドラマ」って流れがあるけど、こんな脚本・こんな撮影、邦画じゃとても無理だ。北野武のヴァイオレンス描写は完全に過去のものになった。
　無差別連続殺人・ヤクザのシノギ・悪徳警官の部下、これらを軸に格闘シーン・カーアクション・遺留捜査・そして一番はヤクザと刑事との友情とも言えるような言えないような交流を通じて、DEVIL（連続殺人犯）を追い込んでいく。追い込んでいくのだが、どこまで行っても先の見えない展開。主演はマ・ドンソク。あの風貌はヤクザの親分がよく似合う。
　無差別殺人犯が、ヤクザの親分を刺したらどうなるんだろう？って序盤で思うんだが、その通りの展開になる。刺されたヤクザからするとメンツを立たせるためには、その首を刎ねるしか無い･･･さあ追い込めるのか。脚本はかつてのタランティーノを想起させるような面白さがある。法で裁けないのか？裁けたとして死刑判決が出たとしても、実質死刑は実施されていないので無期懲役なのか。衝撃のラスト、期待していい。

悪人伝 [Blu-ray]