*『猫を棄てる』

本が高い。このサイズ、このコンテンツ(質ではなく、量、の方)で¥1300と思うと、出版不況の原因が「価格が高いから売れないのか」「売れないから高いのか」悩んでしまう。ハルキストなら、転売しないだろう!って感じの装丁も、いかにも!って感じだ。
 男なら父親との思い出や、生き方についてどこかで語ってみたいものだ。ましてや1春樹は小説家で、2考えるときには文章にしないと整理出来ないタチならばなおさら、3そして一昔前ならいつ逝ってもおかしくない年齢に自分が達したのだから(実際この歳までに友人の何人かは鬼籍に入っている方もおいででしょう)。
 そこに猫のエピソード1つを入れてみた、そんな感じですね。イラストは安西水丸にどっぷりつかっていたせいか、違和感はハンパない。でもまあこうして楽しく読み終えているわけだが。