*桐野夏生 OUT

metoo7s2011-03-03

朝日新聞でOUTを知り無性に読みたくなった。この数年の間に米国エドガー賞にノミネートされ、国際的にも評価が高い作品だったと知ったのは読後のことである。『OUT』出版七年後だということだ。
 まぁしかし平凡なパート主婦の仲間が犯罪にのめりこんでいく(しかもバラバラ殺人!!)描写には総毛立った。これが女性作家の作品!? しかも登場人物の背景もよく描かれている。舞台になる日産自動車武蔵村山工場付近をmetooは良く知っているし、セブンイレブンの弁当パッケージにも「村山工場」があるのを知っている。現代の貧困や金にルーズな女、日系2世の工場勤務などよく調べてあり、さすがに売れている作家の作品は違うなと舌を巻いたよ。
 ただ終末に向かっては(たいていのミステリーにありがちなドタバタ感=あのダン・ブラウンの書いた『パズル・パレス』でさえそう感じる)や、殺人者・佐竹に感じる愛情などは、そこは女流作家なんだな、って感じた。男性作家もああいう倒錯した愛について書き込めるんだろうか?(渡辺淳一を除く)(笑)

OUT(アウト)

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OUT [DVD]

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