朝日新聞でOUTを知り無性に読みたくなった。この数年の間に米国エドガー賞にノミネートされ、国際的にも評価が高い作品だったと知ったのは読後のことである。『OUT』出版七年後だということだ。
まぁしかし平凡なパート主婦の仲間が犯罪にのめりこんでいく(しかもバラバラ殺人!!)描写には総毛立った。これが女性作家の作品!? しかも登場人物の背景もよく描かれている。舞台になる日産自動車武蔵村山工場付近をmetooは良く知っているし、セブンイレブンの弁当パッケージにも「村山工場」があるのを知っている。現代の貧困や金にルーズな女、日系2世の工場勤務などよく調べてあり、さすがに売れている作家の作品は違うなと舌を巻いたよ。
ただ終末に向かっては(たいていのミステリーにありがちなドタバタ感=あのダン・ブラウンの書いた『パズル・パレス』でさえそう感じる)や、殺人者・佐竹に感じる愛情などは、そこは女流作家なんだな、って感じた。男性作家もああいう倒錯した愛について書き込めるんだろうか?(渡辺淳一を除く)(笑)
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/07
- メディア: 単行本
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (53件) を見る
- 出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2004/01/23
- メディア: DVD
- クリック: 15回
- この商品を含むブログ (37件) を見る