*『光』道尾秀介著

 道尾秀介と言えばこの夏「ラットマン」を読んだ。道尾らしい作品だった。それに対し『光』は(個人的には)登場人物は皆小さく、少年少女の一夏の冒険譚を描いていて、違和感を感じた。だがまぁそこは売れっ子作家、人魚姫の伝説残る池の話や近所の偏屈バアサン、アンモナイトの化石、アポロ11号の月面着陸など上手く散りばめ、最後にはきちんと回収している。
 なぜか忙しい秋だが、時間を作って約10日で読破したのは、なんだかんだ言っても作品の力なのかもしれない。頭のどこかで宮部みゆきが描く少年達にも感じられるが、暫く宮部みゆきの少年達に会っていないので、まぁいい加減なことも言えないが。
 少年少女には読んでほしいな。