*アカデミー賞の日に「アーティスト」を観る

アーティスト

いくら作品賞を獲ったとは言え、サイレントでモノクロで、そしてかつて栄光のスターが落ちぶれて、彼が見いだしたヒロインがどんどんスターダムに登りつめて・・・・よくある話に(見たさ)と(ためらい)が綱引きし合って今日を迎えた。ここは作品賞の名誉で授賞式は後日に回し「アーティスト」を観る。
そして作品のできの良さに感動し、涙する。決して20世紀初頭のサイレントなのでは無く、計算しつくされた21世紀のサイレント映画。トーキーの部分も効果的に入れてある。こういう「旧き良き時代」のティストをテーマにしながら、効果的につくるとしたら? すごく計算し尽くして、もう二度とこういう映画はできない(どんなに上手く作っても二番煎じ)と、乾坤一擲でフランスがよく作ったと喝采をあげたい。そしてアカデミーの会員もよくぞ投票したと、こちらも惜しみなく拍手をしたい。「映画っていいなぁ」ってホントに思える映画だった。もちろん次回観るまでには、今回と同じ(ためらい)が生じるだろう。今回ブルーレイに落としたけれど、次回は10年後だろうか、それ以上だろうか?
余談ですが先日コメントしたジェームズ・クロムウェルが運転手役ですっごくいい人演じていたり、受賞の時にすごく話題になったワンちゃんの演技が超越していたり、はたまた英単語勉強していて「coíncidence(=come across)」なんて出てきても、(実際使うのかよーこんな単語!)と思っていたらこの映画の中で出てきてビックリしたり。
できれば一昔前に、紫煙で揺らめく(昔の禁煙の表示はいったい何だったんでしょうかね・・・?)シアターで観たかったもんです。もしも1人で観たならきっと泣いているでしょう。