*ミッキー・ロークと言えば「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」か、

公開当時やたらCM流れていた。監督のマイケル・チミノは 78年の「ディア・ハンター」でアカデミー作品賞、監督賞受賞。が、80年の「天国の門」が大失敗。そして本作85年の「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」で奇跡の復活・・・!と騒がれたが、その後も実のところパッとしなかった。
 85年の映画でこんなに冗長な・・・と思えるくらい長い。展開が悪い、否、編集の責任か? チャイニーズ・マフィアに着眼したのは当時としては面白かったかも。旧支配層を暗殺しトップを狙う野心家にジョン・ローン。彼がメッチャ、カッケー。ミッキーロークを完全に喰っている。
 その彼を執拗に追うのが一匹狼刑事のミッキー・ロークミッキー・ロークと言えば本作と「ナインハーフ」が双璧と思うが如何? 事件は執拗に追うが、周囲への配慮も何も全く無く、奥さんを愛しているくせに、優しい一言もかけられず、改善しようと思えば思うほど逆に関係は悪化するばかり。奥さんは後にチャイニーズ・マフィアのチンピラに殺害されるのだけれど、存命中にだって、若い美人キャスターと浮気して、しかもばれてたり。彼のわがままのせいで奥さん以外にも周囲はバタバタ死んでいく。潜入捜査を嫌がっていた若い中国系警官も銃撃で死亡。「破滅型」のタイプの人間っているんだけれど、まさにミッキーロークがそれで、今思えばこれほどの適役はいない。よく彼を人選した。
 ミッキーロークは日本のCMにも確か出演してそこそこ人気があったし、あとは普通に映画俳優をやっていれば何も問題なかったろうになぁ・・・まさか「シン・シティ」で出会うまで長いブランクになろうとは・・・