*『学級内カースト』(鈴木翔著)

アメリカ学園映画を観ればイケテル男子はアメフト部で活躍して、女子はチアリーダーブイブイ言わせてる・・・そして卒業式のプロムでベストカップル・・・これって定番でしょ!? イケテナイ女子にも男子にも嘲笑を浴びせてる。遙か昔には「キャリー」って映画があって、イジメ酷すぎ。最後は苛めてた側は報いを受けるんだけれど・・・
 学園には必ずこういう「学級内カースト」ってあるでしょ!? でもこういうネーミングだとは知らなかった。思えば中学時イケテナイ男子が「高校デビュー」すると、「はぁ? あいつが? ゆるせなーい!」みたいな奴が必ずいた。「許せない」ってことは「あいつより上から目線」なんだな、つまりは。
 それが同学年で上司でも部下でも無いし、まして貴族と奴隷とも違う平等社会なのに存在するところがまか不思議なこと。著者は「この研究がまだ端緒についたこと」「(正確を期すなら)国際比較等を通じて、この事案が日本だけのものか否か」を調べる必要性などを語っているが、大抵どこの国の青春映画でも、こういうイケテル・イケテナイグループ分けってあるよ。
 だって「人間は比較する生き物」だもの。それが表裏一体「進歩する生き物」って面もあるのは否めないでしょ?
 だけど私はとにかく「威張っている生き物」は嫌い。大っ嫌い。「権力欲をかざす奴」を生き物の中で、ゴキブリ以下にみている。とにかく許せないのである。本書を読めば、教師側はこの制度を黙認・・・どころか「能力」として認め活用していると言う。
 「そっかぁ!?」差別を助長するような教員には出会ったことが無いけどなあ・・・。
 まぁ何はともあれ、本書を読めば100人中100人が、自分が過ごした苦い青春時代を思い出すだろう。そしてあの頃平気で人の足を踏んづけたりできた人たちには猛省を促したい。

教室内(スクール)カースト (光文社新書)

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