- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/05/01
- メディア: ハードカバー
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もしかしたら彼女がすごしてきた小中高時代が作品に色濃く出ているのかも知れないな(本当のことは知らない)。
1作目の「仁志野町の泥棒」などは、すごく良いデキだ。こんな作品、書けと言われて絶対書けない。高校や大学の授業で創作小説書けと言われて書いてみたいものだ。大人になってからの偶然の再会。そこから小学時代、そして高校でのちょっとした再会を思い出す。悪いことなんか何もしてない主人公の方が、あるできごとをきっかけに、友人と離れいつまでも心にわだかまりを抱えている(向こうは何も思っていないし、忘れてしまっているような)。そんなことって実際多いんだと思う。もちろん共感できない人も多いだろうが。
「芹葉大学の夢と殺人」に出てくる救いようのない男と、それと関わってしまった女性の救われない話も良かった。内容よりも主人公の女の子が語るひと言ひと言が素晴らしかった。こういうひと言って、さすが女性だなぁって。敢えて言うなら、作品のタイトルをもう少し考えて欲しかったなぁって。