＊『タクシー運転手 ～約束は海を越えて～』

タクシー運転手 約束は海を越えて [DVD]

　2017年作品ながら、最近夕刊の映画特集で知った。実際にあった光州事件を取材したドイツ人ジャーナリストを乗せたタクシー運転手の話である。
　韓国が民主化されたって、ほんのちょっと前なんだけれど、隔世の感がある。よくこんな独裁～軍事政権から民主化・近代化が可能だったなと驚く。（日本にいるとなんとなーくしか知らない。改めて近くて遠い国だよなぁ、韓国って）
　映画の中には貧しいけれど、人の良い韓国人がワンサカ出てくる。さすが儒教の国だ。そんな本作が韓国で1200万人を超す動員で、2017年最大のヒットだという。韓国の若い人は皆こういう歴史を知っているのかな？
　光州では軍隊が抵抗しない市民を次々に狙撃していく。新聞社は政治圧力に負けて真実をソウルに伝えられない。タクシー運転手は元軍人。軍人が自国民を守らずに殺していくことに最初は混乱する。そう言えば、今アメリカで警官が無抵抗な黒人を殺してからデモや暴動が起きている。大統領は自国民に対し、軍隊派遣をほのめかしているが、さすがに他の閣僚はウンとは言わず･･･そりゃあ良心が残っているでしょう。トランプ大統領にも見て欲しい映画である。