*『峠』(役所広司主演)

  原作未読。「観てから読むか、読んでから観るか」と昔、角川のCMであったけど、自分の経験則で言うと、司馬遼太郎は「読んでから観る」べき。ただ、長岡藩の家老という史実にそれほど興味が無かったので未読だったのだ。
 なぜ司馬遼太郎は「読んでから」なのかというと、大抵が長編なので一本の映画で再現すると、まぁ無理だよね・どこも中途半端だよね・結局ガッカリするよね。
 出だしが慶喜大政奉還なんだが、(あぁー、官軍VS奥羽越列藩同盟がなぜに起きたかをナレーションですますのか・・・)とガッカリ。でもまぁメインがその後の長岡藩VS官軍に重きを置くのかと思えば仕方ないかな、なんて無理矢理納得。
 さて「恭順か戦いか」。譜代大名として徳川に恩義を感じて戦う、そのため死んでも仕方ない、そういう武士の決意は若い人の心に届くのか? そもそも若い人達はもう時代劇は殆ど観ないでしょ。一方、武士や侍の忠義の心に期待値が高い欧米人にはウケが良いのかな? なんて思いながら観た。役所広司が主人公、奥方に松たか子。昔はこんな年齢差婚が普通なの? ちょっと老けてないか? 『山本五十六』も主演が役所広司。彼は確か長岡藩だったっけ・・・? もしかして長岡つながり? 他にいないのか、他に。
 ガトリング砲使用の描写があったので、もう存在したのかとググってみると、「日本に3台輸入、そのうち2台が長岡藩」(wikipedeiaより)にあったとある。スゴいな、河合継之介。ただし戦いのシーンは残念ながらショボイ。キャストは結構豪華だ。東出昌大芳根京子佐々木蔵之介田中泯吉岡秀隆も出る。しかしこの映画は役所広司のための映画で、要は彼の武士としての生き様、そして死に様を描いている。原作もそうなのだろうか? ちょっと読むのが心配だ。