*『敗者の告白』(深木章子著)

  法廷ものサスペンス。数ヶ月前に幼子を不慮の事故で死なせてしまった家庭。葬儀後まだ数ヶ月しか経っていないのに、続いて妻子が別荘で転落死。その時別荘に滞在していた夫には腕にひっかき傷。さらに出版社に夫からの殺害に怯える妻からのメールが届く。捜査本部はただちに罪状を計画殺人に切り替え、夫に対し取り調べをおこなうが・・・。
 まるで朗読舞台劇のように、関係者からの陳述書や証言だけで話は進む。陳述書からは新たな事実が。読み進めば夫は無罪なのでは無いか? そう思える。ならば犯人は?
 証言を聞くのは夫の刑事弁護士、藤木怜。全ての聞き取りが終わり、裁判へ。さあ有罪・無罪、どっち?
 元弁護士の作者深木章子が今までに無いカテゴリの作品をリリース。結末がどうなるのか楽しみでアッという間に読み終えた。ヒット後には、舞台劇になるのか(なるとしたらメチャクチャ台詞が多い)。個人的には映画化でも十分面白いと思う。