*『ロードムービー(辻村深月著)』

 

 


 昨年観た「かがみの孤城」(を先月地上波で再見)、そのためか手に取ってみた。
 クラスにいるカースト上位の意地の悪さを描いたら辻村深月は天下一品! 今回も嫌な女が出てくる。全国のカースト上位の嫌な女よ、この作品を読んで(これって私じゃん!)と気付き・反省し・二度としないと誓って欲しい。だけど、そういう女って本なぞ読まないだろうから永遠に気付かないんだろうな、きっと。
 短編集で最近見かけるのは本作のように同じ登場人物が大人になっていくことを描けること。読後の解説で初めて知るのだけれど、大好きな『魔術はささやく』と名前が一緒、なんてよくあるある。特に高校生の面倒を見てあげる大学生は『冷たい校舎の時計は止まる』に出ていた青年である。もう何年も経過して忘れてしまっていた。時を超えてこうして集まってみれば、みなもっと貪欲でもよいんじゃないかな・・・