*『The Crossing -ザ・クロッシング- Part II』

二部の冒頭は、いきなり実際にあった「太平輪沈没事故」の説明だ。そんなタイタニックのような事故があったのかと初めて知る。この映画は、その事故を軸に関連する男女3組半の話なのだ。でも最初にクライマックスの話を出して良いものなのか? 少なくとも事件を知らない日本人にとって・・・!?
 二部では日本から解放されているので、国共両軍の国内戦争になる。同胞同士で戦いあうのは・・・「やめろ!」 と言いたいが、街中で言っていたら共産党員ということで、とっ捕まって銃殺、って恐ろしい時代だ。
 金城武長澤まさみの出会いのシーンを若い別の俳優を使わずに、本人らが演じるので、(チョット、そ・それは・・・)。
 既婚者だと都合が良いと、ニセの婚姻写真を撮影した男は、その女性のことが忘れられず、周囲にも「同郷で優しく賢い女性」とウソを重ねてしまう(しかしその彼が司令官の思いをしたためた日記を台湾で待つ新婚の花嫁さんに届ける任務を担っていた)。司令官が爆死した戦いで、その男も動けないほどの重傷を負い台湾へと搬送されるために運命の船に乗船。そこで女性との奇蹟の再会。殆ど目が開かず「ジョニーは戦場へ行った」状態なのだが、声だけを頼りに思い焦がれた女性と巡り会える。(しかし本当は、女性は別の男性を追い求めて台湾に向かっていたんだけれども・・・)
 再会出来てもこんな重傷だったら船が沈んだら真っ先に死んじゃうよ・・・むと急に体力回復。顔の包帯がほどけてみれば結構治っていたりで、泣ける場面なのに急に場が白む。ジョン・ウー、もう少しリアリティに徹しても良かったんじゃないか。
遙か昔、日本にもこういう人情に溢れていた時代があっただろうに(もちろん悪いやつもいっぱい出てくるが)と、哀愁を感じさせる映画である。
 追伸:事故を起こす太平輪丸出航シーン。カモメが・・・と思えば、二部では鳩がちゃんと出てくる。その辺はジョン・ウー期待を裏切らない。流石だ。

 

ザ・クロッシング Part2:運命 (字幕版)

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  • 発売日: 2019/10/11
  • メディア: Prime Video
 

 

*『The Crossing -ザ・クロッシング- Part Ⅰ』


ジョン・ウーが監督して、出演は一時代を築いたチャン・ツィイー、いつまでも若い金城武、ソン・ヘギョ、長澤まさみ黒木瞳ら、そうそうたるキャスティング。しかしなぜかまったく視野に入っていなかった。ジョン・ウー監督作品はレッドクリフ以来だ。鳩が飛んで二丁拳銃は今でも健在なのか?

 開始早々第二次世界大戦末期の日中戦争の状況が出るが、この状況での領国の激突映像は(フィクション・ドキュメンタリー問わず)初めて見たので新鮮だった。勝手に貧弱な戦車を日本軍が使用していたかと思えば、結構マシな(M4シャーマンくらいの)中戦車を中国軍も使うので驚いた。
 その後の国民政府VS共産党の対決も然り。学生デモは「対華21か条の要求」に反対する学生が「幟や横断幕」を持ちながら抗議する画像が出てくるが、そんな感じで映画に出てくるので、なんかとても新鮮に感じた。
 3組男女の話が歴史に翻弄されて、一体この先どうなるの? と思っていると唐突に1部は終わる。(二部構成のドラマ)だと最低限知っていたので驚かないが映画館で突然終わると、きっととても騙された感じがしないでもない。
突然侵入してきた軍人に犯されるが、その男を一心に追い続ける女性にチャン・ツィイー。金城武と相思相愛ながら日台の国境によって離ればなれになる日本人女性に長澤まさみ。1部ではどのようにして恋に落ちたのかなど詳細が分からずに2部に受け継がれるので少しモヤモヤ感を抱えて終わる。さあ二部だ!
 追伸:鳩、と言えば出航間際に白い鳥・・・カモメだ! カモメの悠々たるシーンが出てきて、ジョン・ウーっぽい。海辺だ、仕方ない。

 

 

*『パラレルワールド・ラブストーリー』

 人気作家・東野圭吾。最近映画化を視野に入れた「儲かる作品」作りをしているように感じる。

 いやいやさすが理系作家だけあって、科学的にSFで使い古されたパラレルワールドを上手く創り上げた

 ・・・あなたの評価はどっち!? 

 
 主人公玉森裕太と恋人吉岡里帆がラブラブ日々を送る世界が1つ。もう1つはイケてない親友・染谷将太吉岡里帆が交際している世界が並行する物語が存在。さてこのカラクリは・・・? 世の中にはパラレルワールドが実在してね・・・なんてごまかしはない。きちんと説明してくれる。あぁ、そういうことだったのか、と。
 ただ親友の恋人を奪うという設定はイヤだな。主人公玉森裕太が今まで栄光の道を歩んできて、イケて無い親友を下に見ているところも嫌な設定で、玉森裕太に共感出来ない。
 東野圭吾ゆえに、大きなハズレはないので、こういうSFもありだな、と思う人は観て欲しい。

 

 

*すごく期待したぞ!『ジェミニマン』

 ウィル・スミス主演で、クローンでできた自分との対決・・・ずいぶん面白そうじゃないか! ウィル・スミス推しの自分としては楽しみだった。お盆にWOWOW録り溜め、いい加減どこにも行けず映画ばかりなので自宅で吹き替え見した。
 最初は敵側エージェント、途中から主人公と一緒に逃亡劇・・・よくあるストーリー(実によくあるストーリーがやたら出てくる映画なのだ)のヒロインはメアリー・エリザベス・ウィンステッド。微妙な顔だ。『ハーレ・クィーン』に出てたか・・・どこで? 『リンカーン/秘密の書』にも。いたのか!?『デス・プルーフ』『グラインドハウス』・・・あー、存在感無い・・・!! 
 そして彼女の声優が菅野美穂・・・って、なんでプロの声優さんを使わない? マヌケな使えないエージェントにしか見えない。こいついつ裏切るんだ? ウィル・スミスといつ寝るんだ? くらいしか思えない。とにかく感情移入出来ない。クローンのJr.が出てきた頃から知らず寝落ちしていた。あんなに期待したのに。なんでこんなクソ映画出るんだ、ウィル・スミス?
 ・・・今年のNo.1映画は?と言われて上半期、印象に残った映画がゼロ。コロナのせいだけじゃない! 映画界、なんとかしろ。

 

ジェミニマン ブルーレイ+DVD [Blu-ray]

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  • 発売日: 2020/03/04
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*木村拓哉に文句はないんだよ・・・

 二日連続でキムタクネタになったのはタマタマで・・・今日産のCM、「やっちゃえ日産!」が矢沢永吉からキムタクになってやっている。


【企業】 TVCM 「やっちゃえNISSAN 幕開け」篇 60秒

 
 冒頭のハコスカ・・・って、あなたが免許取ったときには6th(鉄仮面)だって終わっていたでしょうに・・・。その後Z(・・・まさか240じゃないでしょね!?)と、日産の看板車(プリンス工業、って気もしないではないが・・・)に乗り、「やっちゃえ日産!」って言うんだけれど。
 そもそもトヨタと激しいシェア争いしていたのは遙か昔。本田技研に抜かれ(もしかして今国内シェアはスズキの下!?)、セドグロクラスに乗りたい車無いぞ・・・
 そのCM直後にチョイマックだよ・・・いいんだよ、いいんだけれど同じシーズンをキムタクでやるなら日産車でリーフとか乗せろよ。そして言うんだ。「やっちゃえマック!」この位のコラボなら、天下の電通できないものか?(博報堂が作っていたらゴメンゴ!)・・・ちょっと逆のパターン(「ちょい日産」は難しいかも・・・ラシーンとかだったら似合っていたかなぁ・・・んなわけないな)


ちょいマック 「ドライブスルーの歌」篇 30秒

*『検察側の罪人』

木村拓哉二宮和也の初共演、これだけでマイナー好きなmetooは(どうせファン目当てなんだろう?)とひねくれたものの見方をしちゃうんだ。
 でもさ、見てみるとすごく良かった。撮り方は映画っぽくなくて、ドキュメンタリータッチだった。二宮和也の取り調べシーンも、妙に良かった。
 検察官って言ったら東大出るようなエリートだ。そんなんが、あんな風にヤクザチックに(無罪なのに)迫ってきたら本当に怖いぞ。ヤクザも検察も一緒だ、コラ。
 『それでもボクはやっていない』では、こういう風に「検察が描いたストーリーでえん罪は作られる」ことを描いていたが、怖いな。しかも送検されたら有罪率99.9%なんだろ? 国家権力コエェー!
 木村拓哉が、こういう役で出てくるのも良いのかも(TVドラマで警察学校の鬼教官演じたことがあったが、好感は持てなかった)。いろいろ考えさせられつつ、役者の演技を堪能出来た映画だった。映画は観てナンボだなぁ。

 

検察側の罪人 DVD 通常版

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  • 発売日: 2019/02/20
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*『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(アニメ版)

以前実写版のレビューをあげた。色々書いたが、一言でまとめると「実年齢の子ども達を登場させると、男の子は皆ガキンチョに見えて、女子は場合によっては水商売に出てきてもおかしくないパターンが発生する」。
 だからか、最近の高校生映画は皆20代が演じていて、オイオイオイ~ここはパネマジのお店なのかい? AV業界で言えば「女子高生」とは決して書かず、「女子校生」と書いてあるようなものだ。そんな怒りも文章に表れていたかも知れない(ただ変なことだけを、実は言いたいようにも聞こえることだろう)。
 さて今回のアニメ。男子は舞台を変えて中学生役のようだ(制服を着ているのでそう思う)。しかし私服になると、あーダメだ。途端に小学生だ。好きな女子を「ブス」としか呼べず、そのくせ「花火大会実施!」のようなシーンになると、途端に本能から好きな人を叫んでいたりする(そういうことって、妙にテンションが上がる修学旅行の真夜中の男子トークだったりもする)。まんま小学生でしょ。
 この作品では松田聖子の「瑠璃色の地球」を歌うシーンがあると聞いていたが、あーあったあった。metooも合唱曲として歌った曲なので思い出深いぞ。実写版と違って都合の良いSFシーンが何度も出てくる。う~ん、若い観客の皆さんはきっとアニメ版を推すのだろうなぁ。