*『男ともだち』千早茜

 すっごく良い話を読みたい。作中の誰も死なずに。
 反論はある。人が死ぬほどなんだから、そりゃあ良い話なんでしょ、って言えなくも無いけれど、大抵の本で人がバタバタと死んでいく。まるでコナン君が周りにいるようだ。昔読んだ『容疑者Xの献身』は面白かったし、『冷たい校舎の時は止まる』も良かった。良い作品は、死ぬ死ぬ。死なない作品でなんか無いか。そう常々思っていたので、普段は聞いたこと無い女流作家は読まないのだけれど、手にしてみた。
 不思議に思うのは、女性で酒が強い人。作中の主人公はいつも飲んでいる。肝臓の大きさは身体に応じて女性は小さいだろうに、とも思うが実際同窓会で一緒になる女性は飲んでも飲んでも平気だ。あなたは女子高生時代からそんなに強かったの?
 こんな描写も作品中ある。「精液のように味がしない。美味しいもまずいも無い。」とセックス後の行為の話が出てくる・・・えーっ!味しないのかぁー!? 不満はあるがその真偽を誰とも話できない。
 主人公の女性には恋人・愛人、そして久しぶりに再会した大学時代の男の先輩が出てくる。もうとにかく恋人は可哀想だ。クリスマスも、プレゼントを買った後に、家には直帰せず飲み屋に行ってしまう。明け方まで飲んで帰ってくる話があるが、そんな人との恋人関係はいやだな。あとがきを書いてるのは村山由佳だが、「この話にはクズがいっぱい出てくる」と評論していたが、確かにその通りだ。
人が死なない面白い話を所望した。とりあえず人は死ななかったゾ。

 

男ともだち (文春文庫)

男ともだち (文春文庫)

 

 

*もっとふわふわした映画かと・・・『花束みたいな恋をした』

*もっとふわふわした映画かと・・・『花束みたいな恋をした』
有村架純(絹)と菅田将暉(麦)がお風呂に一緒に入ってイチャイチャしてる予告編、てっきり幸せな二人を描き続けるハッピーエンド・ハッピーライフ、タマホームのような映画だと思ってた。
 映画特有の偶然の一致ばかりで、その辺は(何だかなぁ~)とは思うのだが、二人の演技は素晴らしいし、舞台が知った場所ばかりなので、もしかして写ってないか自分!?と探してしまった。映画の中では、「ストリートビューに写っている!」と喜ぶ麦なんだが、そんな感じにはもちろんならなかったゾ・・・
 そもそも見るきっかけになったのは、職場の同僚が観たよ~って言ったその日のラジオ番組で、女性アシスタントが「DVD化されたら絶対買って見直す!何度か見直す映画になった!」と興奮気味に話していたから。たまたまカーラジオ流していると、こうういう情報に出くわす。
 麦君は優しくて彼氏にするなら最高だと思うんだけれど、結婚を考えて就職すると、ドリーマーからリアリストに変わっていっちゃう。あぁこの流れは、『ラ・ラ・ランド』と同じじゃ無いかー! 
 二人の気持ちがすれ違っていき別れを意識して、「別れを切り出すのは今日だ!」と絹から切り出す。麦君もあっさり了承するかと思えば、目に涙を溜めてやり直そうと翻意。それに納得しはじめる絹。その時近くに座った未だ日の浅いカップルの行動に、自分たちを重ねる。そしてもうあの時の二人には戻れないんだと気付き、二人信号機のそばで抱き合って涙を流す・・・このシーンが秀逸でしたね。一番の泣き所です。
 2016年から2021年へと続く話にしているが、おそらく2020の初春からロケをしたんだろう、と思っている。丁度その頃都内に出かけることが多く、2020年春都内の雰囲気もよく出ていた。
 映画館はカップルが多く、一人観するのはやや恥ずかしかったが、映画館で観て良かったと思っている。


『花束みたいな恋をした』本予告

*『マネー・ショート 華麗なる大逆転』


 タイトルが悪い。金融市場で一発逆転するヤマ師の話かと思った。原題は『THE BIG SHORT』。資金がSHORTなんだと思わない? 映画の中でshort selling=空売り、だとようやく分かる。どんだけの日本人が空売りだと分かるの?
 リーマンショックの裏側を描いた社会派ドラマなのに。よーくサブプライムローンを読み込んで、これは危ない、と気付いた天才が空売りに走る。その天才が間違い電話をして、そのことに気付いた証券マン達。こちらは実際にマイアミまで出かけ、サブプライムローンの真偽を確かめる。リーマンが潰れて巨額の利益を得る段階になっても、そのことで大損する人達が出ることが分かり、換金に戸惑う。証券マン達が得た金額は10億ドル。
 見ていてグランドイリュージョンのようなスカッと感は無い。社会派ドラマだから。日本ではウケなさそうだが、良い映画だったよ。

 

マネー・ショート 華麗なる大逆転 [DVD]

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*『殺さない彼と死なない彼女』

 全然期待せず。録画したものの観たいリストの最下位に鎮座していた。で、ようやく観たわけだが・・・

 期待しない分、こんなもんだろうと、前半のエキセントリックな雰囲気に浸る。まぁ悪くない。途中で3つの話からなる、いわゆる青春群像劇だと分かる。まぁメインは殺さない彼と死なない彼女の二人なんだが、八千代君と撫子ちゃんらも出てくるんだ。後者は撫子ちゃんの一方的な恋心に八千代君は首を縦に振らないんだよね・・・これはきっと! 観ていた人はその分けが分かっただろうか? この理由はすごくすごく分かる。そういう人いるもん。映画では撫子演じる箭内夢菜の連続告白シーンがあるので、ファンはもちろん、あまり告られない(あるいは最近告られてねーなー)って人には特にオススメである(笑)

 後半突然話がとんでもない展開になっていく。ここは無理矢理お涙頂戴のような作りなので、ちょっと引く人もいるだろう。桜の季節になってこの映画特有の「靄のかかったような」映像になる(戻る)。

 この映画見終わってだから何? って言われるとそーだねーって感じになっちゃうんだけれど、この映画の力が抜けた感じに☆4つつけてみました。

 

殺さない彼と死なない彼女 Blu-ray

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『殺さない彼と死なない彼女(殺カレ死カノ)』不愛想な会話が繰り広げられる本編映像

*『ミッドサマー』

ちらしの表紙が印象的な本作(内容は全く分からないが)。ヒロインがなんで花の冠被って泣いているのか?
仲の良い4人組が、そのうちの一人の母国スエーデンに揃っていくことに。行けばそこはカルト集団的な雰囲気を持つ閉ざされた村。最初こそ珍しいパレードでも見るような異体験だったが、皆の見守る中身投げする男女の老人を見るにいたり、これは異常だと感じ始める・・・
 ホラー映画、という触れ込みだが、このパターンはニコラス・ケイジがやっているなぁ。監督がインスパイアされているのか、知らないで作っちゃったのか。
 WOWOWの薫堂さんが解説で「皆が同じ行動をする世界は怖い」と言っていて、あぁそういう視点で見るのかぁ、とイラストレーターの信濃さんと私は思いました。信濃さんは村の人々がABBAのようだ、と言っていましたが、うん分かる分かる。

 

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*『スーパーボウルはバッカニアーズ、もといブレイディ様!!』

 43歳のブレイディ様がバッカニアーズに移籍したけれど、さすがにプレイオフ届くのが精一杯だと思っていた。実際PO滑り込みだったし。対するチーフスは卓越した運動能力を有するイケメンQBマホームズを擁し、昨年スーパーボウル制覇。今季もAFC第一シード。NFCにはブリーズ率いるセインツ、ロジャーズ率いるパッカーズもいて、実を言えばマホームズVSロジャースが見たかった。
 それがワイルドカードからまさかの快進撃、NFL史上初の、ホームゲーム開催。録画で試合を見たが、チーフスの良さなど欠片も無い試合だった。たまにインターセプトがあってもファールで取り消しだとか、わざとチーフスが負けるようにしたとしか見えなかった。HCがアンディ・リードになった時、強くなるなぁ、って思ったがその後はご存知の快進撃。しかしこの日は・・・ジェットスィープが出るわけでも無く、見せ場と言えばサック喰らいながらドンピシャのタッチダウンパス出すくらい(しかしどちらもパスインコプリート)。
 ブリーズだって、ロジャーズだって名QB。過去には偉大なモンタナだって、(それにはかなり成績が劣るが)ダン・マリーノ、マニング等偉大なQBがあまたいるけれど、これだけ一年おきにスーパーボウル制覇しているQBがいるだろうか? こんな不世出なQBと同時期に存在した他のQBが可哀想で仕方ない。トムがあと数年早く生まれていたなら今季はマホームズだったろう。このすごさを日本国内で語れる人が少ないのが本当に残念で仕方ない・・・(悔しいが本当にスゴいんだよ!!)


【NFL】スーパーボウル2021を死ぬほど分かりやすく簡潔に見所をまとめてみた

*『何か色々と不満だ』24H、何だかなぁ・・・

 ・テレ朝の『24H』が死ぬほどダメダメなんだ。
 前回(1/29)は、獅堂母子、犯人の追跡から逃れるために、車で裏道に進む(なぜヤバイ方へ?・・・でもまぁそういうこともあるかも)
 敵をまいて、母は「ちょっと見てくるわ」、と言って一人で車を降りる(なぜわざわざ離ればなれに?)
 停車した車はハンドブレーキの引きが甘く、ずるずると斜面を下ってしまう。後部座席の大学生娘、前の座席に移ってブレーキ引けよ!(よくこんな脚本書いてるな!)
 その結果、車は崖から落ちて爆発炎上(その程度で爆発するの?)
 それを知った母親気絶・・・からの記憶喪失(もう韓国ドラマか?)
 そしてフラフラと娘を置いて国道へ(しかも娘は爆発直前車を降りていながら、母と出会えないとか)
 さらに2/5は、全く意味の無い1時間。敵のスパイに抱かれて首相候補仲間由紀恵)の情報を流していた秘書の女が、盗聴器を何とか必死にしかけた後に、ナイフで刺すとか、あーもー訳分からない。
 「突入!」と叫んだ後、一番に駆けつけたのはドアの外に待機する突入隊では無く、隣室から命令した獅堂が一番だったなんて、もうギャグなの?バカなの?
 途中まで見たから続けて見ているが、いくら全編1.3倍速でも辛い、本当に辛い。このドラマのせいで木村多江、思いっきり嫌いになったわ。このままだと唐沢寿明はじめ出演者皆嫌いになりそう。
 直後WOWOWの「コールドケース3」を(お口直しに)見たが、これが普通のドラマだよなぁ、と普通に安堵する。
 テレ朝、お前はバカか!?


【ドラマ 24 JAPAN 第17話 2021年2月5日 20120205】テレビ朝日開局60周年記念 唐沢寿明 仲間由紀恵 栗山千明 ハリーの副音声実況※映像音声ありません