*この世で一番大事な「カネ」の話

西原理恵子

西原理恵子
この人の「ぐだぐだ言ってねーで働いて稼げ! 稼いでナンボや!」って言う姿勢が好きだ。貧乏体験がそう言わせている。日本なんてちょっと前まで1億ほとんど貧乏だった。それがいつの間にやら皆金持ちになったような顔して貧乏忘れてる。でもすっごく日本は落ち目になってきている。だって大学出て就職率60%切ってるんだぜ!? 残り40%ニート? 負け組? 年収300万以下?
「まあじゃんほうろうき」って超ドヘタのマンガから彼女を知った。とにかくヘタだ。しりあがり寿は、(わざとヘタっぽく描いてる?)って感じがした。さすが「美大」出てるって思った。西原は....「本当に美大出てる!?」 
銀タマ親分山崎一夫との出会いで5000万円すったとかとんでもない人だが、タイトル『この世で一番大事な「カネ」の話』は切ない。貧乏が諍いの種になっているのが良く分かる。貧しさの中で女の子が貧困の連鎖になっていく様子がよく描かれている。「思春期の私に見えてきたのは『将来』なんかじゃなくって、そういう『行き止まり』だった」っていう表現がよく現していると思う。
もう日本は下り坂に向かっているのに、まだまだ自分探しを続けている「青い鳥症候群」の若者達に、是非読ませたい、そんな1冊だ。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)