*たまには長編 高野和明『ジェノサイド』

ジェノサイド

ジェノサイド

こんだけ賞を取っている「第65回 日本推理作家協会賞  第2回山田風太郎賞 2012このミステリーがすごい1位 2012本屋大賞2位 他」 
本屋の目立つとこにバーン!と置いてあるから、お隣のマイケル・サンデル著『それをお金で買いますか――市場主義の限界』と、悩んだ末に楽そうな方を選びました(笑)こっちも十分興味があるのですが。
大殺戮を普通ジェノサイドと呼びます。ナチスホロコーストや、ルワンダのジェノサイドが有名です。そんな感じの作品かと思い、手に取りましたが全然違う方向です。最近の小説・映画にありがちに、話があちこちにスピーディーに進みます。ですから飽きません。ある時はコンゴ、日本、大統領執務室、そして傭兵・天才・冴えない大学院生・ピグミー族、多彩な登場人物、誰が味方で誰が敵かも分からず、引き込まれました。
「大殺戮を行うのは、人類だけ」というフレーズには、改めて考えさせられました。確かに仲間同士で(民族や肌の色が少し違うだけで)これだけ殺し合う生物も珍しいですよね・・・
長編小説にありがちな(逆に短編小説よりも)早く読み終えた。こういう小説を書く人は、NASエシュロンNORADなどよく調べてあって感心します。普通の人にはこういう小説は(おそらく大好きな村上春樹でも)書けないでしょうね。
それをお金で買いますか――市場主義の限界

それをお金で買いますか――市場主義の限界