*空梅雨のジョギング

写真はイメージ

 雨が降らないから走ってくるか。ジョッガーになって初の梅雨を迎えている。しかしイマイチテンションが上がらない。理由が今日分かった。
 星も月も出ていないから。そう言えば哀しい別れから、何回こうして満月を迎えただろうか? 時の経過を感じるのはこういう時だ。もうやり直せないやるせなさを月は遙か彼方から眺めている。そして毎日微妙に形を変えて私と対話する。新月の夜でさえ、その存在を感じることができる。だから独りで走っても独りじゃ無い。
 もうしばらく誰とも対話せずに走っている。それは大好きだった人を忘れたことさえ忘れて走っているということだ。忘れ去られるって、時に、死ぬことと同じくらい悲しいことだ。