*「曼荼羅の人」陳舜臣著

 陳舜臣の「三国志」が遙か昔面白かったのと、モト冬樹が「朝日新聞」で人生を変えた1冊!と書いていたので、そりゃあ上下巻結構な読み応えがあったけれど読みましたよー。
 空海と言えば中学の歴史で「真空は金、天才は円」で、平安仏教の最澄空海を区別して覚えたくらい。空海の方が「弘法も筆の誤り」とかで諺になっている分偉いのかと思えば、その後の雑学で、「元々最澄の方が有名だったが、遣唐使に派遣されると立場が逆転。空海が持ち帰った書物を最澄が借りに行ったこともある」と、後年知った。
 それにしてもあちこちで「弘法大師が開いた・・・」池だの寺だのがいっぱいあって、「その真偽は?」と思っていたら、山伏のようにあちこち歩き回れる健脚かつ今風に言えば国家上級試験に受かるような俊才だったのね。
 本書で大阿闍梨になったとか、皇帝に拝謁したとか、あまりにすごい記述に自分の無知さが恥ずかしくなったわ。