- 作者: 伊吹有喜
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/11/02
- メディア: 文庫
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小説、特に女性が書く小説は大きく2つに分かれると思う。1つは出てくる人がみな優しい。もう一つはとんでもない悪が出てくる。今回は前者だ。母が死んだ後にヤンキー崩れの井本なる少女は生前の母への恩義と、前金をもらった契約とで、魂の抜け殻となった熱田家に訪れるところから始まる・・・
読み始めに思うのはきっと良い話なんだろう。だけれどお金だけもらってばっくれちゃうような碌でなしを現実にいっぱい知っている。
映画の番宣のような情報番組が多く、主人公を永作博美が演じるところまで知っている。歳の割に若く見える・・・ような描写があった。うってつけのようにも思える人選だ。他は知らない。敢えて調べない。
終末には優しさの塊のようなものがドンドンぶつかってくるので、思わずほろりときてしまいそうだ。最近の邦画はこういうものが多いな。「人気のアイドルでちゃっちい映画を作る」「浪花節のような世界の喜劇を作る」「切った張ったの任侠劇」・・・そんなのばかりの邦画が変わってきたのはいつの頃だっただろうか。本作も女性〜ミドルの方の支持で結構な興行収入を得られそうな予感。