- 作者: 桜木紫乃
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/06/25
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (19件) を見る
釧路のラブホテル・・・それも廃ホテルになったところから、第一話は始まる。実際色んな地方を走っていると(こんなところに・・・)ってとこにラブホはある。ネーミングも(まっとうな)ものもあれば(ギャグか!)と思うものもある。そしてまた廃ホテルもいやっていうほど見てきた。釧路とかの地方都市の人口流失はハンパなく、本書を読まなくても(どこも営業はうまくいってるだろうか?)と心配になる(と言ってもどうしようもないが)。
冒頭の「シャッターチャンス」は、女性だからこそよく書けてるなって思う。「実家に顔を出しておいた方が良いかな」と男が言うシーンだ。そして5作目の「せんせぇ」。なるほど、こういう続きに持ってきたのか。この作品に出てくるJKはどこにでもいるような気がする。こういうしゃべり方をする。ニュースになるとスキャンダルになることも、背景をえがくと実はこういう抜き差しならない状況があるのかもしれない。自分がこういう状況になったなら、美しい釧路湿原が眺める、うら寂しいラブホで衝動的に死を選んじゃうかもな。(これが都会の片隅なら思わないだろうけど)
- 作者: 桜木紫乃
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/06/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る