*『メンフィス・ベル』

 

 


 名作の誉れ高い本作だが、縁が無かった。欧州戦線でB17による爆撃に参加した若い戦士達の話である。メンフィス・ベル、とは愛機B17の名前。(広島原爆投下機がB29エノア・ゲイ、みたいに) 
 9回爆撃に参加、無事生還している幸運機。10回目の爆撃に成功すれば退役(・・・それからは「戦時国債」の宣伝マンとして活躍させられる)が約束されているが・・・
 意気高揚のためのダンスパ-ティ(ここが日本と違う所)、そこでの上官による「次10回目が成功すれば・・・」のスピ-チで場がドッチラケ、そりゃあそうだ。ここまでついてた運が、こんなひと言で女神が去ってしまうかも知れない。殆ど当たりもしない高射砲に当たってしまうかも知れない。当たりもしない、と言えばB17搭載の上下左右の射撃で当たるとは思えないが、エピソ-ド的に入れる必要があるのだろう。2機撃墜、しかしその撃墜機が新人で編成された(そんなことあるのか?)僚機に激突。空中で真っ二つになってしまう。
 戦友、っていう言葉があるが、仲間との別れが近づけば、「なぁ、アメリカで一緒に仕事をしないか?」と別れを惜しむ。果たして10回目の爆撃で無事に帰れるのか? 一番大事なブレ-メン爆撃の際には護衛の戦闘機が燃料不足で皆引き上げるって・・・まぁ日本爆撃のB29も当初は護衛無しで、結構餌食になっていたからそんな酷いこともあったのかも知れない。
 観ていて、評価が高いのは普通の戦争映画ではなく、男の友情を(戦争を通じて)描いたから、だと分かる。「んなことあるかいっ!」って思う場面もあるが、こりゃあファンタジーだから。許してほしい。