*『彼女が最後に見たものは まさきとしか』

 「あ、いけね!」電車に乗る際に本がないと、時をつぶせない。早朝の出勤以外は、すぐに本屋に駆け込む。選んだ本が「彼女が最後に見たものは」だ。タイトルと、34万部に惹かれた。三ツ矢刑事と田所刑事相棒シリーズの第二弾って事だけれど、まぁいいや。読んで良かったら第一弾を読めば良いし。
 まぁ序盤は違和感だらけだ。変な話。異能力者三ツ矢刑事は捜査仲間に語ること無く事件の真相にたどり着いていくんだけれど、そりゃあ作者だけが知っていることを代弁しているんだから知っていて当然だ。むしろ組織として動く警察捜査の中にあって如何なものか?(などと思いながら読み進む隙を与えているのだから、それほど物語に集中していないわけだ)
 ところが後半になっていくと作者がばらまいた意味のなさそうなピースが繋がっていく。しかも陰のテーマが「家族」だとか「絆」だとか、序盤には思いも付かぬようなテーマが来て無理くり感動させようとしてくるではないか。
 結構後半が感動的なので第一弾も読んでみようかと思ってみれば、第一弾は『あの日、君は何をした』で、しっかりタイトル買いをして読んでいた。そう言えば読んだっけ、テヘ!
 最後の感動オチまで読むと、(あーもう一回読み直してみようかな)なんて思う作品だった。