*『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ著)

 

 

 

 知り合いのJCが手にしていたので、面白いかと訊いてみた。
 司書さんからのお薦めで、と本の感想抜きで答えてくれた。
 そんな、初めての町田そのこを読んでみた。

 古びた漁村が見える田舎町に越してきた、どこかかげのある女性主人公、何か訳ありの。何かと気をかけてくれる不器用な若者。虐待がうかがわれる男の子・・・

 少しばかり精神年齢高めのJCには適したチョイスなんだろう、そう読み進めていくと、妾だった祖母、そして自らも望んでもいない愛人になっていく運命。「ムシ」と呼ばれて実母からタバコの火を舌に押しつけられた少年など、いくら「本屋大賞2021受賞作」と言ってもJCには、早すぎるんじゃないかと思った。(実際の所はどうなんだろう・・・?)
 
 冒頭から登場する、主人公の女性のピンチに、寄り添ってくれて、「人には魂の番(つがい)というのがいる」と諭すアンさんは、一体何者でどうなったんだ。この疑問も早く答えが知りたくての、一気読み。

 刑事物・犯罪物以外で読後の充実感ある物語を読みたい人には、読み応えある1冊だった。こういう本に出会えると、読書っていいな、って実感する。私もお薦めしたい。