*『きみが見つける物語』

  この本はオムニバスで、【スクール編】「十代のための新名作」と銘打ってあって、お隣には【恋愛編】も当然のように置いてあった。
 作者は「あさのあつこ恩田陸加納朋子北村薫豊島ミホはやみねかおる村上春樹」である。スクール編を選んだのは、当然村上春樹が入っていたからで、氏以外にも恩田陸などはすでに読んでいたが、それでも読んで良かった。新しい感動があった。
 十代の何人が春樹を読んでいるか分からないが(ローティーンには難しいかも知れない)(SHSのハイティーンには是非読んで欲しい)と思う。ちなみに掲載作品は「沈黙」で、イジメに悩む人・イジメて悦に入っているチッチャイ奴も読んで欲しい。毎回この話を読む度に、小学校時代のS君を必ず思い出すんだ。皆はこういうイジメにピンときているんだろうか? 気付いていないんじゃないか、って思っているんだよ。
 苛めている人も、半年間苛めに遭ってみると、その苦しさが分かるんじゃないか。苦しんでいる人、高校に行くとガクンと減るぞ。大学にははっきり言ってほとんど無い。中高の価値観と、その後の価値観なんて180度ガラッと変わるものだ。今はそう思えなくても、やまない雨はない。生きよう!