*『初めての住野よる:青くて痛くて脆い』


 読みたい本が見つからない、そんな時、ジャケ買いやタイトル買いをしてみる。初めての作家は、少し怖い。でもチョット勇気を出して読み始めてみる。

 出だしは、自ら友達や恋人を作るのを止めることを決意した主人公・・・自分をさらけ出して傷つくのを恐れている・・・僕、がチョット痛い女子、秋好とであい、無理矢理友人にさせられ自分のポリシーを修正させられてしまう。そんな感じだ。

 (痛い)とは言え、名も知らぬ異性が話しかけてくる強引なストーリー展開、「今ってそうなってるのー(by高橋一生)」 そんなことあるかいっ! 全てがそうなら世の中にチェリー・ボーイはいないぜ!? この悪い印象と、物語の中核を成す秘密組織「モアイ」の結成・・・そんなネーミング、あるかー? この2つの要因により、読書のスピードはラッシュ時の京王線調布以東並みになってしまった。

 そんな名前だけ急行列車が動き出したのは後半、モアイをつぶすネタが見つかり、それまで協力的だった友人が「俺、やっぱり降りるわ」と言い出した頃だ。この辺からは(ありがち)と言えばありがちなんだが、多くの男子大学生が、似たような挫折を経験し、自分と大切な人を悲しませてきたんじゃ無いか、と思わせるやりとりが出てきて、ここを言いたいが為に住野よるが、本作を書き上げただろうことは、容易に想像できる。
 多少のミスリードはあるが、ヒロが「私が間違っていた・・・」というフレーズの辺りは、秀逸だと思う。ただ本作をきっとDDは読まないだろうし、JC・JKは読んでDDのこういう思考回路に考えが及ぶだろうか?(納得するにはまだ若い!)  男は永遠の子どもだ、そこに考えが及ぶだろうか・・・?
 読書予定に今のところ(住野よる)、の名前は無い。違う作品には違うテイストが詰まっているかなぁ・・・?