*フリルのついた白いスカ−トを

今週のお題「読書の秋」
*フリルのついた白いスカ−トを
 そんな女性が信号の向こうでイヤホンつけながら待っていた。(そんな恰好をするのはハ−ドルが高い)と感じるのは私だけ・・・? 何歳までこの恰好を許されるのかな。そう思いながら、恩田陸の『三月は深き紅の淵を』を思い出す。
この本は例によって旅のお供に買った。ずいぶん昔に書いたようで、実験的な匂いもする(そのため高評価に繋がらずスル−していたのかもしれない)。
その実験的な4部作。第一部は恩田陸らしくない。女性が無理矢理男っぽく書いているような・・・しかも少々退屈。(本書の中に、著者が「男性? 女性?」ってくだりがあるが、読んでて女性が書いたものだなぁと感じさせる)のは何とも皮肉。
 第二部あたりから、後に数々の賞を受賞する恩田陸、そのもの。
 第三部に、そこは小説らしい別嬪さん女子高生二人が出てきて、事故とも殺人とも分からぬていで、城址公園から転落死している。実際の話なら、こんなショッキングで不幸な話は無い。その死んだ年下の方が、いつか着ようと楽しみにしていた「白いワンピ−ス」を、自らの血で穢してしまう、そんなシ−ンがあったから。とにもかくにも、その事が許せない少女。それだけでも、分かるような分からぬような話だ。でも世の中にはそういう不条理な、理解出来ない話に満ちあふれている。
その信号は幹線を横切るのでなかなか変わらず、さりとてガン見するわけもいかず、黄昏時でもあり、お幾つだったのか。気になったのはもう神無月に入ったからなのかもしれないな。