先日書いた「デューク」収録の本だ。初期の作品集だという。なるほど「東京タワー」のような、ぐちゃぐちゃ感が無い。同じ作家が書いたようには思えない。この中では「デューク」以外は「スィート・ラバーズ」が、なかなか良い。
アメリカ映画では「きみに読む物語」(オススメ♪ 泣いて下さい)のように、「歳を重ねてもずっと君だけを愛している」世界観が広がっているけど、日本では恥ずかしがってあまりないよね。純愛をテーマに、こういうオチのある小説を山椒がピリリと効くような作品はいいなって思う。
このフレーズが好き! って言うのは次のもの
「孤独が押し寄せるのは、街灯がまあるくあかりをおとす夜のホームに降りた瞬間だったりする・・・ホームに片足がついたそのせつな、何かの気配がよぎり、私は、あっ、と思う。あっ、と思った時にはすでに遅く、私は孤独の手のひらにすっぽりと包まれているのだ」
私が作家なら、このフレーズを元に小説を書き上げるだろう。
私が音楽家なら、思いっきりロンリネス漂う歌を作ってみせるだろう。
世の中には、不思議と「孤独」と無縁の者がいる。うらやましい。
- 出版社/メーカー: ハピネット
- 発売日: 2006/10/27
- メディア: DVD
- 購入: 8人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (120件) を見る