*『パスタでたどるイタリア史』(池上俊一著)

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

この本は今年の夏の今年の高校生の課題図書。タイトルからすると楽しそうだが、そこは「岩波ジュニア新書」。これで感想文を書くのは難しい。ジャンルで言うなら「小説」とか「論説文」の方が書きやすい。楽しく読めるというより、イタリア史または世界史に通暁していないと、けっこう苦しい。(「ヘタレア」などで、イタリアがスペインに支配されていた歴史などを知っていると、まだ読みやすいかな・・・・)
読みながら「パスタ」がご馳走だったとか、小麦が食の大部分を占めた時代が過去にありながら、中世頃に、何故かライ麦やエン麦などの雑穀混じりの黒パンが主食になるなど、(なぜに・・・?)と思う記述も多い。手づかみで物を食べていたお下劣なフランス人どもに、フォークを知らしめたのがラテン人だというのに、中世以前はイタリア人もパスタを手づかみで食べていたというのも、意外な事実だった。
一方で、コロンブスが新大陸から運んできた「トマト・じゃがいも・トウモロコシ」、さらには「唐辛子」の恩恵で、飛躍的にパスタの料理法が進化するなど、まぁ普通に考えてもそうだよなぁ、と思う記述が出てくると、(全体的に難しいので)ホッとする(笑) 
なお、読書感想文に行き詰まってこのダイアリーに来た高校生も多いと思う(笑) そういう人は「おわりに(P212-P220)」が、全体のまとめになっている(要約してある)ので、そこだけ読んで、うまく感想をまとめなさい。きっと先生も読んで、(うまく読めず、書けなかったんだなぁ)と察してくれるでしょう(笑) 他の人のブログを見ると、全体的に「前半部分」が濃密に書かれているが、後半息切れしているのでご注意を。まだ実物が無い人は、とにかく本をゲット。評価が¥1029で上がるなら、安いもんだよ(^-^*)♪