*映画「桐島、部活やめるってよ」

山本三月


桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

そのタイトルの奇抜さから一旦は手にした本。しかし「一瞬の風になれ」の雰囲気に挫折した経験からスルー。映画化されるが、やはりスルー。しかし口コミによる高い評価とロングラン。結果DVD待ちになる。
 なるほど! こういう手法が未だ残っていたか・・・・! そんな感じを前半抱かせる。「バンテージ・ポイント」がそんな感じだったよね。
 主人公の神木隆之介のポスターしか知らなかったので、缶コーヒーのボスに出てくる謎の女子高生を演じる橋本愛が出ていたとは知らなかった。そもそもほとんどが高校生(と呼ぶには、おいおい、どう見ても大学生だろ!?)出演で固めているのはGOODだ。何しろ、最近の日本の映画やCMは旬の俳優で固まりすぎていて、瑛太松田龍平宮崎あおいらが繰り返し繰り返し出てくるので、もっと違う人が見たいよ!配役ありきで映画作るなよー!
前半を中心にちょっとした仕草が中高時代特有の対人関係が実に良く描かれている。それだけで吉田大八監督スッゲーって思った。山本三月演じる特別な女ってのもよく分かる。美しい女子にだけ許される強気さ、追随する周囲の女子(または存在を無視される周囲のフツーの女子)。物怖じする男子。派手なグループに無視される文化系ネクラ男子(子の映画では映画部)。そこを敢えて神木隆之介クンが演じているところが良いよね。
 そしてとどめが、いつ出てくるんだ「桐島君!!!」。横恋慕する吹部部長らが音楽室で演奏する音楽をBGMにクライマックスに向かう。青春映画として見事なエンディングを、「陽はまた昇る〜映画「桐島、部活やめるってよ」バージョン」で締めるんだが、これもこの映画にバッチリあっていたと思う。映画館で観るべきだったかなぁー。