*「死の記憶」トマス・H・クック

死の記憶 (文春文庫)

死の記憶 (文春文庫)

 これで4冊目。なかなか書ける人だって思うので今読み始め。いきなりこのsentenceがいいね!って思ったので、序盤にもかかわらず書いてみる。(ちなみに前回の「夜の記憶」が、目の前で大好きな姉を惨殺される話だったが)、今回は父親が(主人公以外の)家族全員を惨殺し失踪中と言う、どちらも救いようのない話だ。
 9歳でその体験をした主人公も40歳を越え、家族を持っている。しかし「死の記憶」の呪縛からは逃げられない。突然だが「007・慰めの報酬」というのがある。しかし「慰めの報酬」とはカッケーフレーズだが、使いづらいワードだ。あなたならどのように使う? このワードをトマス・H・クックは、こう使った。
 P12「だが今思うと、記憶とは日々刻々、生の時間を無くしていく私たちへの慰めの報酬であり、それぞれの暮らしを編集し書きあらためるの場所、あと一度のチャンスを与えてくれる場所である。おそらく誰しも最後にはあと一度のチャンスを欲しがるようになるのかもしれない」
 そうか・・・・記憶とは人生の折り返し地点(人によってそれが18歳の人もいるだろうし40歳の人もいるだろうが)を過ぎた人には、『慰めの報酬』なのかもしれないな。
 一気に読めれば良いのだけれど、同時に数冊読んだり映画や飲み会など地道な活動をしているので、今月末に読み終われば良いのだけれど・・・(笑)