*映画『犯人に告ぐ』(雫井脩介)

 「2004年ミステリー第1位」取った小説に感激して、DVDで映画を観る。
豊悦主役は原作のイメージ通り(ってか、この人をイメージして原作作ってない?くらい、あっている)。イヤなキャリア官僚の本部長曽根を演じる石橋凌も良い・・・が、あとのキャスティングは・・・??? 人柄で心の奥襞にしみこむ津田長に笹野高史なんだが、ありきたり。安易なキャスティングだ。
 何より上下巻に渡る長編を2時間に仕上げていく過程でどこを削るかが脚本家の腕の見せ所。最初の誘拐事件を約30分に仕上げているのは良いのだが、上司のイヤらしさ・権力欲などの描き方が今ひとつ。なので、中盤・終盤の権力闘争が描き切れていない。映画観ていて、(あれ、続編あるのかい?)と誤解するような挿話があるのは、どうして? 

犯人に告ぐ [DVD]

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