＊『ステップ』

　この作品の公開を知らなかったけれど、出演者みて（ＷＯＷＯＷで）観る気がおきた。思いのほか良くて心に染みた。子育てしたこと（特に女児）ある人なら分かるよね、ってことも多かった。佳作である。
　例によって子役が光っていた。特に２歳半、そして小一を演じた子ども達。お母さんがいない、ってことに負けまいとしながらも、心が折れそうになることってあるじゃない！？　そんな微妙な心の機微を上手に演じていて泣けたよ。お父さんが山田孝之だからといって、すぐに新しいママになりたがる女性も出てこないのも、話として良かった。
　國村隼が出てくると、怖いヤクザの親分かすっごく人の良いオジサンのどちらかなのだか、山田孝之の義父役で登場、よくできた義父を演じていた。「実の息子と同じように思っている」、だから義子にあたる山田孝之に彼女ができたことを大喜びする。なかなかこういうことってできないよなぁ。
　タイトルの意味も分からず見ていたのだが、劇中「STEP FATHER,STEP MOTHER」の意味説明がある。この山田孝之と國村隼の関係、そして再婚役出出てくる広末涼子と、娘武田美紀の関係が「STEP」なのだ。
　よく出来た作品だとエンドロール眺めていると、原作が小説『ステップ』（重松清著）とあった。なるほど、である。ちなみに安易に死んだはずの奥さんが何度も出てきたらイヤだな、って思っていたら一度も出ることは無かったのも、高評価なのだ。

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