*『ステップファーザー・ステップ』

 一昔前、好んで宮部みゆきばかり読んでいた。彼女の作る社会派サスペンスに、文字通り寝るのも惜しくページをめくった。それがいつの間にか、時代小説と少年少女向きの作品ばかりになっていった。本作は、そんな少年少女向きの、「はしり」である(と思う。何しろ作中東京ドームで西武の清原がホームランを打っているのだから)。
 彼女の作品には、行儀正しい青少年が出てくる。今回もそうだ。しかも双子で。父と母に同時に遺棄された双子。そこにたまたま隣家に忍び込んだ泥棒が、落ちてきた。そして泥棒のことを「お父さん」と呼び、疑似家族になってもらうよう頼むのだが・・・
  ステップファーザーとは養父・義父のこと(と文中書いてあって知った)。設定はコメディにありがちなあり得ない設定。だが少年少女が(学校での読書タイムでも読み切れるような)内容になっていてサクサク読める。そう言えば知り合いのJCが『魔術はささやく』(宮部みゆき)を先日手にしていた。この作品や『竜は眠る』あたりは最高に面白かったな。
 何でも良いから本を手に取る、待ち時間。