*どう捉えたらよいのか『フューリー』

ブラピが好きな俳優なのと、『イングロリアス・バスターズ』での骨太な軍人姿も似合っていたからこの映画は楽しみにしていた。ロードショーで観るか悩んだけれど。チラシでは毎回おなじみの「本年度アカデミー賞最有力」の文字が躍っていたなぁ・・・
 第二次世界大戦映画で出てくるナチやジャップはたいてい「残忍きわまりなく」「おマヌケ」と決まっている。観ている我々元枢軸国の人間でさえ、ついつい主人公側の連合軍に味方してしまう。まぁそれは仕方が無いって言えば仕方が無いんだけれどさ。
  
 なぜに今、「第二次世界大戦」なんだろう? ベトナム戦争はブームが過ぎたか。イラク・湾岸ではあまりにハイテクで人情味が無いか。ナチとの戦いでも本作は戦車戦のように見せながら、大きなテーマはナチ親衛隊(SS)の卑劣さとの戦いだ。そこにブラピが載る米軍シャーマン戦車と、独軍を絡ませているのだが、残念ながら独軍のキング・タイガーは1両しか出てこない。戦車の接近戦を始めて見たが、まず1:3になった状況から、破壊力に優れたタイガーがわざわざ出てくるのか? そういう戦術面の(?)が気になって仕方ない。

 最後の十字路でのドイツ軍が戦車1両に対し死人のヤマを築くなんてあり得ないだろう。どうして機銃で戦車に撃ち続ける? 対戦車砲とかこの頃ならバズーカがあるだろう。せめてハッチを開けてドイツ式手榴弾を投げ込んだら? 

 ラストの新兵が助かる件(くだり)も、一体何なんだろう。プラトーンか・・・!? どうか実話ではありませんように。