*『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』

物語はヘルファイア搭載の無人攻撃機ドローンで、敵要人抹殺を狙うも、そのそばに子どもがいて、撃てば確実に子どもは死ぬ。撃たねば、テロ行為でさらに多くの犠牲者が出る。撃つか? 止めるか? そのミッションに関わる人物(英の外務大臣、さらには首相。米軍のドロ−ン操縦官・・・)らの葛藤が描かれる、(ヒットよりも)自分ならばどう行動するか、と人間性を問われる物語なのである。
 主役はイギリス軍諜報機関のキャサリン・パウエル大佐を演じるヘレン・ミレン。「熟女芸人」じゃないけれど、彼女の良さは『RED』観てから気付いた。古くは『ホワイトナイツ』で出会っているんだが、『RED』くらいが、なぜか色気を感じて好きだな。
 その彼女が軍人らしく、「抹殺」第一優先。一昔前ならそれで良いんだろうけど、さすがに現代はコンプライアンスなのか、その子どもの生存確率まで計算して攻撃か中止かの判断を決めていく。そもそも子どもを動かせば良いんじゃ無いか? ということで現地エ−ジェントも動くが上手くいくのか。ミサイルは撃たれるのか。その時の子どもの生命は・・・?
 近未来、タ−ミネ−タ−のように無人機が人類を攻撃することが当たり前になる。その時、その無人機を操作する者に人間の心はあるか? 考えさせられる1本である。