*『少女』(映画)

 映画化で話題になることの多い、湊かなえ作品だ。「巣ごもり消費」の一環としてビデオで鑑賞(さすがに観たい作品が少なくなっている)。
 本田翼と山本美月のW出演って、豪華だー。同じクラスにこの二人って、どれだけクオリティ高い女子学院なんだー。そりゃあ間違った道に落ちることもあろう、国語科教師役は大島じゃ無い児島一哉だよ! 当初は中島敦を解説する立派な国語科教師って感じだったけれど(死んじゃったね。あ、ネタバレ)。
 この映画を観ての第一の感想は
 「死を軽々しくとらえがちな思春期少女を主役に置いた、因果応報をテーマにした舞台劇」。
2016公開、撮影2015にしても本田翼25歳、山本美月26歳。たまには実年齢主演の高校生を見たい・・・(^^;) それは置いといて・・・
 冒頭、そしてラスト、演劇にありがちな独白劇がある。そうだこれは演劇なのだ。そう考えれば学園祭で学院に何十年も続く青と白のロープを使った女子高生達の舞に、誰一人として観客がいないのも頷ける。屋上が利用出来る学校の屋上なんてまずお目にかかれないのに、死にたがっている女子高生が簡単に屋上にいるのも、
自殺直前に千切った原稿用紙をちょっと集めただけで一番肝心の最終頁が出来上がるのも、
剣道部日本一の(普通に考えたら一番の肉食系過激女子なのに)女子がクラスの皆から激しい苛めにあっているのも、
全て納得できるのだ(逆にそう考えなければ、「何だ、このリアリティの無い映画は!」とマジギレしちゃうだろう)。
 だから数少ない出演者の中で、AはBの被害者。CとDは学院のボランティア介護で介護・被介護の関係。EとFは転校してきてから友達関係・・・そういう中で、実は誰と誰は実は親子でした。誰と誰は共通の加害者。誰と誰はそもそもこのストーリーの核心を突くためのキーパーソン・・・のように、著しく繋がっている。当初こそ、(あぁここで繋がっているのか)と新鮮に思うものの、次から次へと繋がるので、(あぁこれは舞台劇なのだ)と思えば映画に対する苦情は一切出てこない。そうだ、女性は演劇が好きだもの。そう捉えて評価も優しくしてあげて欲しい。
 とまぁmetooは解釈したのだけれど。許せない人には許せない映画かも知れないな。

 

少女 DVD通常版

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  • 発売日: 2017/04/05
  • メディア: DVD