*『峠 司馬遼太郎著』

峠 上下巻



 やっと上下巻読み終えた。刑事物ばかり読んでいないでたまにはこういうの読まなきゃね、っては知ってはいるんだけれど、どうもね(^^;
 以前から気にはなっていたが、きっかけはやはり映画『峠』。こうして読み終えると、ホンットに映画はクソだわー。主人公河合継之助のスゴさや人間性、大局観などが出てこない。「奥羽越列藩同盟」がなぜ成立したのか?(高校日本史で学んだ覚えが無い・・・ハテ???) 会津藩が中心となって、親藩譜代大名らが薩長官軍に無駄な抵抗をしたくらいにしか分かっておらず、歴史家から大目玉くらいそう・・・今読み終わってみれば。
 今回読んだ本は実家にあった古書で奥付は昭和43年。初版とも第二版とも書いていない。1968年、50年くらい前。価格は500円。可哀想にこの後は廃品回収ゆき。
 映画鑑賞後ゆえに、頭の中の河合継之は役所広司で、ヘタすると缶コーヒーBOSSを飲んでたりする。前半メチャクチャ。中盤大政奉還くらいから東奔西走。官軍には勝てっこないよなぁ。じゃあ譜代藩にありながら官軍に降伏? それは武士としてサムライとして正しい生き方でも無く。じゃあどうする?
 読後の感想としては(正しい・正しいでは無く)、こういう生き方に、西欧人は「サムライの美学」を見いだしているんだろう、なってこと。WBCなどで、やたら「サムライ・サムライ」と連呼していたが、とりあえずこの本読んで感想を800文字くらいでまとめてみろよ、と言いたい(それが私にできるかは置いといて・・・)。

  追伸:司馬遼太郎の時代だと、まだ明治維新を知っている人が生きていたのかな? 司馬作品は作品中(余談だが)とか、(後日)とかの多くの資料が出てきて、ビックリしたりなるほどと頷いたり。今回では黒田清隆や山県狂介らも、もちろん同郷の山本五十六も出てきた。司馬作品をティ-ンのうちに読んでおけば、もう少し歴史好きになってたり、広い大局観を身に付けていたかもしれないな。