*『怪物』(是枝作品)

 映画なんて観ている暇ないのに……分かっちゃいるけど身体が欲している。観たい作品の決定打が無い中、『フラッシュ』の評判が良いのだけれど、もうアニメキャラはお腹いっぱいなので、カンヌで脚本賞を取った本作に敬意を表してみた。

 出だしから面白かった。火事のシーンで消防隊員を安藤サクラが応援するシーンも良かった。あんな近くに見えるのかい。永山瑛太演じる教員役がダメ教員。田中裕子も遂に校長かぁ、と感慨にふければ、こいつもダメダメ教員。
 ところが視点が変わって永山瑛太視点になると、子ども思いの良い教員。悪いのはクラスのイジメしている男子だろう? 少しは正義感ある女子がクラスにはいるもんだが、「担任は暴力教師か?」を問うアンケート調査では、フツーに暴力的に○つけちゃう。この辺は子ども達ってこういうもんだよねって、よくわかっている。こどもなんてこんなもんだよ。鼻血が出た一件だって見ているくせに、先生の窮地を救おうなんて子どもは現れないのな(事実こういうこと多いんだよ)。

 一方でさ、1部で出てくる永山瑛太演じるような(謝罪中に飴なめちゃうとか)教員ってもう見たこと無いぞ。今の教員って良い意味でも悪い意味でもフツーの社会人になっていて、破天荒な教員なんか、もう見たこと無い。しかし、前半の演技はちょっとミスリードじゃん。
  後半をみてようやく本作がLGBTだか、ジェンダーフリーだかの部門でノミネートされていたってこと思い出した。小学生でそういうことに気付くのだろうか? もう少し後(たとえば精通したあととか)じゃないのか? よく分からんが。
 子ども二人の演技が素晴らしく、日本映画でも子役が上手になったなと、全てに満足したぞ、観て良かった。


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