*『ステップファーザー・ステップ』

 一昔前、好んで宮部みゆきばかり読んでいた。彼女の作る社会派サスペンスに、文字通り寝るのも惜しくページをめくった。それがいつの間にか、時代小説と少年少女向きの作品ばかりになっていった。本作は、そんな少年少女向きの、「はしり」である(と思う。何しろ作中東京ドームで西武の清原がホームランを打っているのだから)。
 彼女の作品には、行儀正しい青少年が出てくる。今回もそうだ。しかも双子で。父と母に同時に遺棄された双子。そこにたまたま隣家に忍び込んだ泥棒が、落ちてきた。そして泥棒のことを「お父さん」と呼び、疑似家族になってもらうよう頼むのだが・・・
  ステップファーザーとは養父・義父のこと(と文中書いてあって知った)。設定はコメディにありがちなあり得ない設定。だが少年少女が(学校での読書タイムでも読み切れるような)内容になっていてサクサク読める。そう言えば知り合いのJCが『魔術はささやく』(宮部みゆき)を先日手にしていた。この作品や『竜は眠る』あたりは最高に面白かったな。
 何でも良いから本を手に取る、待ち時間。

 

 

*『マチネの終わりに』


 話題作だったが、何が話題だったのか忘れた(笑) 見始めて美男美女の福山雅治石田ゆり子が出ていて、あぁこれは大人の恋愛ドラマなんだとベッドに横たわりながら気付いた。そんなじっくり観る気じゃなかったので、その時は、途中からセガール観はじめgdgdした。そして後日。

  気合いを入れて見始めた。(さあ、ここで二人の恋は成就する!)って時に限って、ラブストーリーは何かしらかの邪魔が入るのが鉄板な訳で。フジでもTBSでも韓流ドラマでも。もちろんマチネの終わりだろうが始まりだろうが容赦は無い。あぁこのパターン・・・と呪いながらも涙を誘う。マネージャーの取った行動も、痛いほど分かる・分かるけれど騙すんだったら死ぬまで騙してほしいよ。やっと平和になった心に漣(さざなみ)がまた起き始める。
 40代ならではの大人の恋、しかも舞台がパリだったりマドリードだったり、(あぁ私もこんな恋がしたい)とお思いの女性も多いだろう。パリってすごいな。
 この映画のキーワードは「未来が過去を変える」。分かったような分からないような。元マネと結婚して一児のパパになったマキノは、今は幸せなんだろうか。大人の恋か・・・なんかよく分かるような分からないような。(自分の経験不足のせいなのかな・・・?)

 

 

*『私は、思う。』

 ・五輪やる・やらない、で正直意見が割れたけど、やってみれば感激して泣いている人いっぱい。金メダルを取った野球・ソフトや、中国の壁を破った卓球だとか、日本人にはメダルは無理!と言われたバスケットでも銀メダル! 喜んでいるメダリストに、「五輪やってんじゃねえよ!」と、言える者いるのだろうか。いるとしたら、名乗り出ろ。

  ・地元東京だから、マイナーな競技にも光が当たって・・・と思って、チャンネル変えても、意外にBSでは「ショップチャンネル」やってたり、「時代劇」やってたり。東京で五輪やってるのに、時代劇見たい人いるんだねえ。こんな時だからこそ、多少の利益に目をつぶって、オールジャパンで盛り上げることはできないものかな。

 ・散々感動の場面で涙腺が緩んだが、ちと最近の若者男子、泣きすぎ。ジャニーズの諸君も、もう少し大事な時まで涙を取っておけよ、と斉藤由貴は昔々歌っていた。涙、安売りしすぎ。涙は飾りじゃ無いのよ(と、明菜も歌っていたじゃないかー)。

 

 ・菅首相が辞意を切り出したのがビックリなんだ。昨年あれだけ圧勝で総裁になったのに。コロナ対策や五輪開催に向けて、もう少しリーダーシップ取っていれば・・・なんて思うのだけれど。一方で(やったらやったで文句言われる)し、(やらなきゃやらないで文句言われる)し。野党もTVレポーターも、どっちを選んでも文句言ってくる。
 それならいっそ「あなたはどう思うんですか?」の一言も言いたくなるが、総理という立場では言えないんだろう、子どものケンカじゃあない。
 官房長官時代、「安倍首相には菅がいる」とまで言われていたのに、首相になれば矢面に立たされて文句ばかり言われる。大変だな、総理は。
 TOPに立ったら、どんなに悪口言われようが、権力の座にしがみついて平気の顔している人じゃないと、総理は務まらないのかも知れない。菅首相だって、長い人生であれだけ「あーだこーだ」非難される経験は無いだろう。以前の首相じゃないけど、「私はあなたとは違うんです」って言いたくなるのでは(別に私は菅首相が特に好き、という訳では無いけれど)。
  一昔前みたいに毎年総理が替わるのは・・・いかがなものかな(覚えられないし)。


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 ・突然話のタイプは変わるが、漫画サイトRenta! のCM「Renta!これ読んどきな篇」、主演の古川琴音と神木隆之介の演技がスゴイと思う。古川琴音はそれまで全く知らなかったけれど、あの微妙な顔つきの女子高生っているじゃん!? え!? 24歳? え、うそー。
 彼女CMで、(あ、好きって表情になったよね? 好きって言うかもね)って繊細な演技しちゃうじゃない? うまいなぁ。
 と思っていたらの、永遠の少年神木隆之介 え!? 28歳?(知ってたけど)。CMの真ん中辺、あの顔で見上げられたら誰でも恋に落ちるだろう。罪作りだ。


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*『ネバー・ダイ』(フィリッピン映画)

 思えばフィリッピン映画を観た記憶が無い。もしかすると人生初かも。主人公は貧しいスタントマンで稼ぐ女の子。父親が病気で薬代を何とかしないと・・・って、一昔前の時代劇ダナこりゃ。そして臓器売買が社会問題。行方不明の女児の父親が画面で訴えている。
 でも本作が新しいのは女の子が悪い連中を倒していくこと。この戦いがおそらく映画の80%は占めている。一晩の戦いを延々と見せ続けられる。内容はいたってシンプルだ。映画どうこう、じゃなくて、フィリピンはなぜにこうも貧しいのか、テロが絶えないのか、なんてそこを考えながらの鑑賞だったよ。

 

ネバー・ダイ(字幕版)

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*『そうだ、埼玉に行こう!』(2021埼玉夏のキャンペーン)


近いしフルーツが美味しいからよく行くんだ、山梨には。
 近いし海もあるしお洒落じゃ無い? 学生の頃は週末ごとにドライブに出かけたよ、神奈川には。
 あー、近いのに行かないな埼玉には。バイク乗ったり山登るようになってから秩父には行くようになったが。それから長瀞船下り、巾着田曼珠沙華とかも割と最近だ。
 そもそも暑いから行くのヤダよねー。じゃあ割と近くの埼玉で。今回はそんな感じ。

1.前方後円墳って、登ったこと無いし。じゃあ、さきたま古墳で。
2,マツコの知らない世界で、「吉見百穴」やってたね。あれって古墳マニアが「よしみひゃくあな」って読んでたけど、「ひゃっけつ」だよね!? え? 正式には「ひゃくあな」なの??? 間違って覚えてた! コロポックル住居説もあった!? 昔は夢があったなぁ。
3.そんでもって、さきたま古墳群に登ったわけだ。で、城がみえるじゃない。城なんて明治になって廃城のお達しがあって皆廃城の憂き目にあったわけだから、あるとしたら最近作った資料館もどきの城(滋賀の長浜城とか)か、櫓を城の本丸と誤解(江戸城)のパターン。この城は・・・解説読めば忍城野村萬斎のぼうの城」か! これは例え資料館でも行かねば。

 行ってみれば歴史もあるぞ、埼玉県行田市。それまで行田市に一遍の思い入れも無かったが良い場所かもしれない。行きの東松山ICで雨ガッパ脱いでいる時に、何台もヤンキーのバイクが騒音流しながら高速入っていったが、埼玉にもちゃんといるんだな。うるさかったぞ。

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前方後円墳

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(想像図)

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忍城

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吉野百穴






*『鳩の撃退法』

 


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本屋で見つけた時は、まだ映画化を知らなくて(変なタイトル)くらいにしか思っていなかった。映画化されて8月末に見るべき映画がないので仕方なく観に行った。面白かった。
 原作読んでないけど、きっとこれは原作が良いのだろう。映画観ている人は、これがフィクションなのかリアルなのか悩ましく観ているだろう。序盤にまかれたピースは、終盤ハマっていくんだけれど、ハマっていく状況が楽しい。
 3年前に直木賞受賞するも、前回作家は実在の人物・団体を描き裁判沙汰にもなっている設定。今回執筆する作品は冒頭メッチャ面白い。今度はフィクションですね?と担当が念をおしに、富山の地を訪れてみれば、あるわあるわ。結局これって新聞に取り上げられている「3人家族失踪事件」の、真相にたどり着いたんじゃないのか?これが発表されれば命の危険があるんじゃ無いのか?その辺が割とリアルに描かれていた。
 ラストは、上手く騙されたって感じが心地よい。風間俊介も結構良い演技してるじゃんとかあるけれど、立山連峰が毎日あんなに綺麗に見える冬の富山は(雪が嫌だけれど)住んでみたくもなった(でも、怖いヤクザや、死体になって燃やされるクリーンセンターがあるから怖くてイヤかなー)。

 

 

*『イエスタデイ』

タイムマシンあるいはパラレルワールドに一人行くことができたなら、ヒットする曲を先に発表しちゃおうとか、スポーツクジで大当たりしちゃおう(これはバック・トゥ・ザ・フューチャー2であったね)とか、人生の大転機(失敗した恋とか結婚とか就職とか)を乗り切っちゃおうとか、荒唐無稽なことを考えちゃうよね。
 そんな誰でも考えちゃいそうなネタを、ビートルズでやっちゃおうというのがスケールがデカイ。そしてそこに一流の脚本家と監督を用意する・・・ついでに本物のエド・シーランまで出てくるからリアル感が増す。そしてあくまで路線は心がジ~ンと温かくなる「ラブコメ」。『ラブ・アクチュアリー』の脚本書いたリチャード・カーティスだからね。薫堂さんはこの人が書いた作品だから楽しみにしていたといっていた。監督は『スラムドッグ$ミリオネア』などのダニー・ボイル。今回の主人公もイケてないインド系イギリス人が主人公。インドに何かこだわりがあるのかな。
 多少人並みにビートルズのことを知っているのでクスリと笑わされるシーンが幾つもあった。一方、もっと知ってれば・・・ということもいっぱいあった。例えば個人的に大好きな「エリナリグビー」の歌詞。主人公は歌詞の細かいところが思い出せない。「米粒を拾うんだっけ・・・?」「編み物していたんだっけ・・・?」 その歌詞に合わせて映像では刺繍をしたり米粒を拾っていたり、マッケンジー神父が誰も聞かないお説教の言葉を考えていたり。歌詞が思い出せなかった「ミスターカイト」は歌詞がメチャクチャだと、パラレルワールドに紛れ込んだ二人から指摘を受けたり。
 嬉しいことは有名人には成れなくて船乗りとして人生を過ごしたジョン・レノンが78歳で生きていたり。またこの世界では「ビートルズ」と「オアシス」が存在しない(ストーンズはいる)。ペプシはあるけど「コーク」はない。映画ではビートルズgoogleで検索すれば「甲虫」で毎回出てくるし。
 「ビートルズの作品だってばらすのか?」「真実を知っている人から脅迫を受けるのか?」「今回の行動が影響して世界が変わるのか?」「年下の元マネとの恋は叶うのか?」色々な映画のもって行き方があっただろうが、前述のように、この作品は「ラブコメ」のくくりなのだ。その辺がビートルズファンには物足りないかも知れない。私は十分楽しめましたが。

 

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