*二度目の「ミスティック・リバー」

ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

 アカデミーで2部門受賞のイーストウッド作品。車で連れ去られる野球帽かぶった少年が、後部座席から不安げに見つめてくるシーンが印象的で、アカデミー授賞式でパロディにもなったシーンが有名だ。でもあまり正直言って、それほどすごい作品には思えないんだけれど。(あの少年時代のトラウマがその後の人生に、まさか今回の事件にまで暗い影を落としたことは理解してはいるんだけれど)
 あの頃(2003)の、ケヴィンと言えば、コスナーが下火になり、スペイシーかベーコンかという時代に(もちろんKJでも無いし・・・・あ、わかんないよねー)、そのケヴィン・ベーコン、ショーン・ペン、ティム・ロビンスとは、豪華なキャストだ。
 正直ショーン・ペンのキチガイじみた演技は好きじゃ無い。いっそ「アイアムサム」くらいになると、逆になるほど〜と新鮮だ。「ミルク」はもう勘弁して欲しかった。ティム・ロビンスは・・・・当時「ショーシャンクの空に」と同一人物とは気づきませんでした(笑)
 あの車で連れ去られるシーンの、3人の少年が迎える悲劇を描いているのだが、ラストシーン、今なら(と言っても当時でも)DNAだとか検死官だとかで、遺留証拠が多数残っているのだろうから、少なくとも彼がシロかクロくらいは分かるだろう。(観ているその瞬間に、そういう事実に気づかせないのも監督の腕なんだろうけれど)
スリーパーズ」は好きな映画で、ケヴィン・ベーコンが出ているんだけれど、よくこの役を受けたなあ、と驚いたのだが、この映画の刑事役とは天と地ほど違っていて、役者ってつくづく役作りが上手だと思う。
 1回目観たときもやり切れなさが残ったが、やはりやり切れなさが残るものだ。(特に、ディブが奥さんに自分の過去を語るシーンは秀逸だがやりきれない)元気の無いときに観るのは要注意。
ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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